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【#図解のプロ】「図解とは料理である」クライアントと一緒に成長する思考法

こんにちは。日本を図解先進国にするMetagram代表取締役の髙野です。
日本を牽引するビジネスリーダーたちには「図解が大好き」という共通点があります。
一体、図解のどのような特性がビジネスの成功に欠かせないのか、図解にはどのような魅力があるのか、一流のビジネスリーダーにインタビューしました。

今回お話をお伺いしたのは、個人事事業主として「資料作成を一緒に終わらせるサービス」などの個性的なお仕事を展開しているスライドデザイナーの麦.pptxさん



麦.pptxさんプロフィール
日本郵便で営業統括本部の主任を務めた後、デザイン業界へ転身。制作会社で4年間のキャリアを積む。
2024年には書籍「とにかくわかりやすいスライドデザインの基本とアイデア」を出版。概念をビジュアル化し、言語化や構成段階からサポートすることを得意とする。
現在は図解に特化した資料専門のフリーランスデザイナーとして活躍の幅を広げている。
資料作成伴走型のサービス「資料作成一緒に終わらせる」を運営。

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法則を見つけ出して構造化していく楽しさ

――まずは麦さんが現在されているお仕事について教えてください。

主に個人事業主としては、パワーポイントを用いた資料作成支援のお仕事をしています。かれこれ4,5年近く前から小さく副業を始めましたが、徐々にご依頼いただける件数も増え始めて現在に至ります。
最初のきっかけは、とある上場企業様の株主総会用の資料作成のご依頼でした。IR資料や決算発表資料は原稿があるのが普通で、それをパワポ資料として作成するというお仕事です。このようなオフィシャルだけに限った話ではありませんが、資料作りをするときに大切なことは決して嘘をつかないことですね。必ずしもご依頼をいただいた時点でクライアントの業績が良いとは限らないので、図やグラフィックで騙そうという気は起こさずに、常に誠実であることを心がけています。

図解はいつから使い始めたのかという明確なきっかけの記憶はないのですが、昔から好きでした。特に図を描くと思考の抜け漏れが無くなる感覚を覚えています。最初はセンスで図解していた部分もありましたが、徐々に体系化できるようになりました。というのも、図解というアクション自体が、何かを体系化するというアクションに通ずるものがあると思います。



――これまでのお仕事で印象的だった図解を教えてください。

髙野さんは「伊藤レポート」ってご存じですか?この資料の図解に挑戦したときは楽しかったですね。

伊藤レポートとは?
経済産業省がまとめた企業のサステナビリティに関する報告書
伊藤レポートは、2014年8月に経済産業省が公表した報告書です。経済産業省が開催した「『持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~』プロジェクト」の最終報告書で、伊藤邦夫氏を座長にして作成されました。

引用:https://www.pa-consul.co.jp/talentpalette/TalentManagementLab/ito-report/


「伊藤レポート」はとにかく情報量が多い資料です。図も使われてるのですが、もっとわかりやすくできるかも?と思って図解を制作をしました。文章から法則を見つけ出して構造化していく過程に楽しさを感じますね。情報量が多い文章は、そもそも読もうとさえ思われないことがありますが、図解することで読んでみようかなという気持ちにさせる効果があると思います。



クライアントと一緒に成長するというスタイル

――麦さんのユニークなサービス「資料作成一緒に終わらせる」はどのような方々がクライアントなのでしょうか。

実は、このサービスを利用していただくクライアントは企業の役員などの経営層の方がほとんどなんです。皆さんに共通しているのは、ひとりで資料作成して行き詰ってしまっているという課題ですね。具体的には「どこがダメなのかわからない」「テキストにはできているがスライドに起こせない」というお声をいただきます。


――シンプルな資料作成代行との違いを教えてください。

資料作成を丸ごと代行してしまうと、最後にクライアントの成長ができないんですよね。なので、また繰り返し資料作成代行の依頼をせざる得なくなってしまいます。そうではなくて、クライアントと一緒に成長するというゴールを設定することがこだわりのポイントです。

なので、私が資料作成作業を持ち帰るということはしません。必ずクライアントとビデオ通話をしながら作業を伴走していきます。パワーポイントは汎用ツールの一つなので、「資料の完成」だけでなく、「ツールの理解」というゴールも同時に設定しています。


――クライアントが成長してしまったら麦さんのお仕事はなくならないのでしょうか(笑)。

そこは大丈夫です(笑)。成長を実感していただいたクライアントは必ず新たな疑問を持たれています。これは「資料作成代行」をしてしまうと存在しない感情なんです。わかりやすく説明して、その場で一緒に作業をすることで成長し、新しい壁や疑問に突き当たる。この繰り返しのループが存在することがリピートをいただける秘訣です。



麦さんと即興図解やってみた!


――なんと麦さんからご提案がありまして、髙野と二人で「即興図解」にチャレンジしました。テーマは『地方と都会の2拠点生活』です。

麦さん:では私からですね。まず、田舎と都会では距離があるということを図示しました。そして、田舎のメリット(自然、家賃が安い、育児環境が整っている)と都会のメリット(利便性高い、給与水準高い、選択肢多い)を可視化しました。最後に2拠点生活はどちらのメリットも享受できるという構造にまとめました。


麦さんが描いたダイアグラム


髙野:2拠点生活のメリットってまさにそこですよね。田舎と都会っていう二項対立になりがちな構造に横串をさせるというか。さりげなく「移動」が表現されているのも点数高いですね。車とか電車が好きな人は2拠点生活向いてそうです。

髙野:というわけで、僕はベン図で描いてみました。麦さんと同じく、メッセージは「田舎と都会のいいとこ取り」です。あとモデル図でも描けそうだなと思って描いてみました。最初は考えていなかったんですけど、移動の価値ってやっぱりあると思いますね。時間的な価値とか空間的な価値とか。そのことに気づかせてくれるダイアグラムが描けました。


髙野が描いたダイアグラム


図解とは「料理」である

――最後に、麦さんにとっての「図解」とは?

図解とは「料理」である

私にとっての図解は「料理」に似ているなぁと思います。資料作成をテキストの情報で完結したと思っている方が、もっとよくできる可能性があることに気づいてほしくて『とにかく「わかりやすい」スライドデザインの基本とアイデア』という本を書きました。スライドデザインは構成>図解>表層という3階層になっているのですが、それぞれの階層が料理では、構成→材料を用意する(野菜を洗う、肉を切るなど)、図解→火を通す(焼く、茹でる、煮るなど)、表層→味付けや盛り付け、に対応していると感じます。味付けをしてから焼き魚を煮魚に変更したり、盛り付けの段階で牛肉を豚肉に取り換えるなんてできないですよね。それと同じで、資料作成もレシピのように順番が存在しています。なので、表層の味付けや盛り付けばかりにこだわらず、適切な順番を学ぶことで、おいしいスライドづくりを効率化してもらえると嬉しいです。



――貴重なお話をありがとうございます。

Metagramでは、図解を習慣化している方々へのインタビューを継続して参ります。「なぜ、優れたリーダーは図解するのか」を多視点から構造化して可視化することで、図解によって次世代リーダーを育成する活動を強化していきます。




株式会社Metagramとは

Metagramは「日本を図解先進国」にするために代表取締役:髙野雄一が立ち上げました。図解には「あらゆるモノゴトを多視点から構造化して可視化する」チカラがあります。『ダイアグラム思考』を用いることで、個人の思考を深めるだけでなく、 人々のコミュニケーションを認識のズレなく円滑にすることができます。図解が強みとなることで、国や地域、業種や業界、年齢や役職を問わずに、 誰もが図解でコミュニケーションできるリーダーの育成を目指します。

代表取締役:髙野 雄一


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