「ビジネス書を読んでも効果がない…」そんな私が30日間休まず図解を続けた結果
こんにちは。日本を図解先進国にする図解思想家の髙野です。
Metagramでは、図解を用いた思考法「ダイアグラム思考」を企業向け研修プログラムとして展開しています。現場で活躍する図解リーダーたちから図解の魅力や、図解の活用ポイントを等身大のインタビューで迫ります。
今回お話を伺うことができたのは渡辺真衣さん(36)。
デジタルヘルスケアのスタートアップ企業でカスタマーサクセスの業務をされています。
リーダーに抜擢されてから、思うように成長できないことに悩んでいた渡辺さんが「30日間休まず図解トレーニング」に挑戦し、どのように成長することができたのかを聞いてみました。
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情報を構造化することがとにかく苦手だった
――本日はよろしくお願いします。渡辺さんはどのような業務をされているのでしょうか。
私たちの会社ではヘルスケアアプリを開発・運用しています。ユーザーには患者様や薬局のスタッフ様がいらっしゃいます。私は薬局のスタッフ様向けカスタマーサクセスの業務を担当しており、チームのリーダーを任されています。どうすればユーザーにとって使いやすいサービスになるのかを日々考えながら仕事をしています。
薬局のスタッフ様だけでなく、薬局を訪れる患者様に対してもカスタマーサクセスを考えます。より多くの患者様にアプリを使っていただくために、チラシやパンフレットなどの資材作成をすることもあります。
――リーダーならではのやりがいと難しさを教えてください。
スタートアップの会社なので、前例がないところを自分たちで考えながら仕事をしていくことにやりがいを感じますね。ただ、リーダーというポジションなので、自分の考えをきちんと周りに理解してもらい、巻き込んで動かしていくことが難しいと感じています。
特に、情報を構造化して整理することが苦手なんです。業務のレポートをまとめて報告するときも、自分の言いたいことがうまく伝わらないことが何度かありました。この悩みを何とかしたくて「30日間休まずに図解するトレーニング」に手を挙げました。
ビジネス書を読んでも効果が出なかった
――構造化に苦手意識があったのですね。これまでに苦手克服のためにどのような努力をされてきたのでしょうか。
以前に上司から勧められたこともあり、ビジネス書を読んだり、スキルアップ系の動画を視聴したりしていました。ビジネス書は月に1~2冊程度、動画は週に30分程度視聴していました。だけど、全然成果が出ませんでした(笑)。
今回、図解トレーニングに参加したのは、図を描くという具体的なアクションが発生する点が読書や動画視聴と違うなと思ったからです。勉強しながら毎日実行を伴うトレーニングはこれまでにやったことがなかったので期待が持てました。ビジネス書を読んでも次の日から実行できる具体的なアクションにはつながりにくかったので。
15日目ではわからなかったが、楽しく継続できた
――「30日間休まず図解トレーニング」の効果を実感したのはいつ頃からでしょうか。
正直、15日目では成長を実感できていませんでした。ただし、それまでのプロセスがつらいということはなかったです。「どんなに汚くてもいいし、完成できていなくてもいい」というルールのおかげで毎日図を描くこと自体のモチベーションは下がりませんでした。
実際に成長の効果を感じたのは後半になってからですね。もちろん多少の義務感はありましたが、ロジカルシンキングと比べると、業務に対して具体的にトレーニングを通じて取り組むことができたことが継続の秘訣かもしれません。後半は図を描くことが苦しいというよりも、図解のテーマを探すことのほうが難しかったくらいです。
――楽しみながらトレーニングできていたのですね。渡辺さんが図解していて最も楽しかったダイアグラムを教えてください。
業務だけでなく、途中から趣味の内容も図解してみました。日曜日の大河ドラマを毎週楽しみにしています。ドラマを観ていて登場人物の役職や権力の強さが気になったので、図解してみました。
すると、モヤモヤしていた部分がきれいに整理することができてサッパリしました!ドラマを観ていて「なんでそうなったんだろう?」と疑問に感じていた部分に対して、図解によって上下関係や背景を整理することで違った視点から観察することができました。おかげでドラマの解像度が高くになり、図解で切り取ったシーン以外のパートも楽しめるようになりました。
30日間休まず図解して成長を実感した3つのポイント
――成長を実感し始めたのはどのタイミングでしょうか。また、どのような成長を実感することができたのでしょうか。
明確に自分が変わったなと感じたのは後半でした。30日間のトレーニングが終わってから振り返りをして、じわじわと成長したことを自覚しました。ポイントは3つあります。
1つ目は、「自分が何をいいたいのかという主体性を持つこと」ができるようになりました。これまでの私はなんとなくで仕事をしてしまうことも多く、上司やお客様からの質問に対して、回答が詰まってしまうこともありました。しかし、図解は「自分は何がしたいのか」が必ず問われることに気づきました。主体がないと図は描けないんです。
2つ目は、「自分のわからないことに疑問を持つこと」ができるようになったことです。これまで経営方針などの難しい話は敬遠しがちでしたが、今では少しでもわからないことがあったら図解して整理してみようというマインドに変わりました。
最後の3つ目は、「構造化に対する苦手意識の変化」です。まだ、胸を張って克服できたとは言えないレベルですが、まずはチャレンジしてみようと思えるくらいには改善することができました。
――図解の課題は何かありますか。また、今後は図解をどのように使ってきたいですか。
はい、少しは図解できるようになったと思いますが、まだまだですね(笑)。未だに難しいテーマを図解することを避けてしまっていたり、図解をした後のアクションがフワッとしていたりする課題を感じます。ですが、ステップバイステップで図解を続けることで、いつか解決できると思います。
せっかく楽しく図解することができるようになったので、お客様とのコミュニケ―ションやプレゼン資料の作成に応用していきたいです。
また、私と同じように、モノゴトの構造化が苦手な方や、ビジネス書を読んでいるけど効果が出ない方にも「30日間休まず図解トレーニング」をおすすめします!
図解とは「わからないことをわかるようにするツール」である
――最後に、渡辺さんにとっての「図解」とは?
私にとっての図解とは「わからないことをわかるようにするためのツール」ですね。
自分が受け取った情報を図解で整理することで、抜け漏れや論理のチェックができることを実感しました。また、不得意だった構造化も、今では苦手から脱出できそうな感覚があります。図解によってわからないことがわかるようになったので、次にどんなアクションが必要なのかが感覚的にわかるようになりました。
――貴重なお話をありがとうございます。
Metagramでは、ダイアグラム思考を身に着けた方々へのインタビューと、ご意見のフィードバックを継続して参ります。図解を実践したからこそ抽出できる「ユーザーの本音」を大切にしながら、アカデミアでの研究成果とエビデンスを重視して改善していきます。
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株式会社Metagramとは
Metagramは「日本を図解先進国」にするために代表取締役:髙野雄一が立ち上げました。図解には「あらゆるモノゴトを多視点から構造化して可視化する」チカラがあります。『ダイアグラム思考』を用いることで、個人の思考を深めるだけでなく、 人々のコミュニケーションを認識のズレなく円滑にすることができます。図解が強みとなることで、国や地域、業種や業界、年齢や役職を問わずに、 誰もが図解でコミュニケーションできるリーダーの育成を目指します。
代表取締役:髙野 雄一