見出し画像

日本企業も、ようやくグローバル舞台へ

この記事は株式会社マネーフォワードの福岡開発拠点が主催している Money Forward Fukuoka Advent Calendar 2023 の25日目の記事です。🎅🏻
部署の唯一英語ネイティブスピーカーとして、部署の英語化を担当した経験を話します。

はじめに

こんにちは、Money Forward 福岡拠点 Pay事業本部開発部所属のリム・ベネディクトです。

10年以上日本在住の外国人として、日本の生活について記事をいくつか書きましたので、もしご興味があれば、ぜひ読んでいただけますと幸いです。
根性でシンガポールから来日。その根性で東京から福岡に移住。
僕と日本語のストーリー(前編)
僕と日本語のストーリー(後編)

部署の唯一英語ネイティブスピーカーかつ既にリーダーの責務を担っているめ、去年から部署の英語化を担当することになりました。
ただし、英語ネイティブとはいえ、組織を変える能力や経験を持っていないので、どういう施策を打ち出せばいいかわからず、日々悩んでいました。
最近、弊社の英語化が更に快速してきたので、その進捗をシェアさせていただきたいと思います。

中途採用に限らず、新卒採用も海外に

出典:経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」

深刻化するIT技術者の人材不足問題に対し、IT企業が外国人エンジニアを採用する傾向があります。

日本における就労ビザの取得が難しいし、言葉と文化の壁もあるので、アメリカみたいな英語圏の国より、日本企業が積極的な姿勢を取らなければ、良い人材をゲットしにくいでしょう。
そのため、海外大学のジョブフェアに足を運ぶほど、日本企業は近年採用計画にかなり力が入られているようです。

マネーフォワードでもグローバル採用が増えてきました。
候補者は技術者としてレベルが高いですが、本来の能力が発揮できる環境を提供することが可能か悩みます。
海外採用にかかるコストが高いですし(移住手当・手続き、翻訳・通訳サポート、日本語学習)、候補者にとって異国への移住は重大な決断なので、互いに慎重に判断しなければなりません。

部署の英語化はどんなことを?

東京にある本社には最も外国人社員が多く英語が浸透していますが、私が所属している福岡拠点でも外国人社員を受け入れる体制づくりが進んでいます。

  • 既存社員は、会社費用負担の英語研修を通して、TOEICスコア700/PROGOS B1以上を獲得することが求められている

  • ポジションによって採用基準にも、TOEICスコア700以上が必須

  • 話す内容の重要度によって、会議にプロフェショナルの通訳者をアサイン

  • 開発プロセスを徐々に英語化(コードコメント、GitHub PRレビュー、ドキュメント、Slackでの発言)

  • 日本への移住にあたるサポート

  • 英語堪能のメンバーがボランティアで、輪読会や英会話を実施する

ただ、どんなに事前準備を行なっても、いざ非日本語話者が入社されると、必ず潜んでいる課題にぶち当たります。

  • 複雑な要件や難しい用語をうまく説明できない

  • 自動翻訳だと意味が変わる危険が伴う、手動翻訳だと工数がかかるジレンマ

  • スモールトークでも、異国のネタが通用しない、関心のある話題が違う

  • ワークスタイルの違いで、業務上で連携する際に衝突するかもしれない

非日本語話者の受け入れも大事ですが、現役社員に過度なストレスを与えるべきではないので、両方の立場を十分に配慮するうえでの組織体制を整いたいと思います。

個人感想

10年前の自分は、まさかこの日本が外国人にオープンの時代が来るとは、想像も付きませんでした。
当時、外国人への配慮が特になく、日本社会のルールに従い、日本語を十分に話せるようにならなければ、関係性を築くことが難しかったし、出世もできませんでした。
おじさんの呟きになってしまうんですが、日本の生活とキャリアを充実するのに、かなり苦労してきました。

正直に言いますと、社内共用語が日本語のままで、日本話者に囲まれた方が、個人的に好ましかったです。
海外の生活が成り立つために、受け身でなく積極的に学び姿勢が重要だと思い、あえて英語と外国人コミュニティーに頼らないようにしていました。

その反面、外国人が直面する問題を理解しているので、非日本語話者の入社サポートや面接対応など、経験の基に工夫したいと思います。

最後に

私の部署にも非日本語話者が近々に配属されるので、次回は実際に非日本語話者を受け入れた感想を述べようと思います。

世界の流れにグローバリゼーションが加速していくため、日本でもその現象を受け止めざるを得ない状況になりました。

慣れている環境が変わることに多少戸惑うかもしれませんが、考えと行動が異なる外国人とどうやって共存すればいいか、今までのないシナジーを生み出す方法を、一緒に考えてみませんか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?