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大海原の日の出を見る 地球に出会う旅 コペンハーゲン&ノルウェー⑥
DFDSに乗船して朝を迎えた。
夜中、船はぐらんぐらんゆりかごのように揺れていた。
寝ぼけているので船は沖に停泊していて、それで波にまかせて揺れているんだろうとぼんやり考えていた。そんなわけないのに。
せっかくだから朝日を見ようと早起きする。
日の出は5時40分頃だ。それより早く目が覚めてしまったので、下見をしようとデッキに出た。
まだ薄暗い。時間は5時。目の前は当然だが海しかない。
デッキにはカップルが二組ほどベンチに座っていただけで、うら寂しさが漂う。
甲板から下をのぞくと、白く泡立っていて吸い込まれそうで怖い。
身震いして頭をひっこめた。
日の出の方向を確かめる。目の前の水平線がうっすらとだが明るくなっている。
船の後方まで歩いて行った。朝の冷たい風が吹き付ける。
人気のないデッキを散歩して、満足すると部屋に戻った。
5時半ごろに再びデッキに出ると、先ほどとはうって変わってわんさか人が湧いている。もう明るい。
灰色の雲が少し垂れ込めているが、東の水平線あたりはちょうど雲がなく朝焼けのオレンジ色に染まっている。
みんなスマホを掲げてわいわいと楽しそうだ。
ツアーで一緒の方や添乗員さんもいる。
「おはようございます」と挨拶をして今か今かと日の出を待った。
強いオレンジの光の塊が水平線に顔を出した。太陽だ。
「うわー」と歓声が上がり、みなスマホで写真を撮り始めた。
こんなときレンズ越しではなくて、肉眼でしっかりみておきたいと思うのに、ついビンボー根性なのかなんなのか写真を優先してしまう。
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今回のツアーの最高齢75歳(女性)の方が通り過がり、「ご来光だ」と言いながら、「ありがたいありがたい」と手を合わせたが、すぐに「ちょっと一服してくる」とあっさり喫煙室へ去っていった。
ご来光より自分の嗜好の方が大切。大勢に迎合しない。
添乗員さんと顔を見合わせて「さすが」と笑った。
75歳でひとりでツアーに参加してかっこいい。私もこんなふうに歳を取ってもがんがんひとりでも旅をしたいと思った。
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「ねえ、日の出っていつまで見ていればいいの?」
同行のツアーの職業:教師(女性)の方が聞いてきた。
「そうだよね」
やめ時がわからない。
「日の出っていつまでを言うの?」
「そうだよね」
改めて言われてみれば、それもわからない。
あなた教師だろう。私に聞くんじゃない。
「昇ったらでいいんじゃないですか」
添乗員さんが言う。
そうだよね。もう太陽は完全に姿を現した。
体も冷えてきたので、「じゃあ、私はそろそろ戻りますね」と二人を残して部屋に戻った。
「日の出っていつまで見ていればいいの?」と私に聞いた教師はまだ朝日を見ていた。
朝食はゆうべと同じレストランだ。
添乗員さんが先端部分の窓の大きな場所の席を押さえておいてくれた。
なんというお心遣い。
晴れた空と青い海、日差しのたっぷり差し込むテーブルでコーヒーを飲む至福の
時でありました。
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「オスロ港はオスロフィヨルドの先端にあるので、フィヨルドの中を通って行くから、到着前に景色を見るのも楽しいですよ」と添乗員さんに教えられたので、荷物を整理したあとに甲板に出てみた。
両岸が接近していて北欧のかわいらしい家が点在している。
ムーミンの世界だ(フィンランドではないけれど)。
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船の上から見ているだけだから想像でしかないけれど、緑と海に囲まれてゆったりした時間が流れているような気がする。
私は相変わらず、旅まであくせくとしている。これはツアーだからしょうがないけど。
ゆったりその土地を感じたいなあ、とちらりと思うのでありました。
そして船はオスロ港へと到着!
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