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ついに目的のフロム鉄道&ソグネフィヨルド!しかし… 地球に出会う旅⑧

朝目が覚めるとすぐにカーテンを開けた。
あいにくの雨。
さすが365日のうち300日は雨が降ると言われるベルゲン。
到着した昨日は曇りがちとはいえ、青空も見えていたのに。

集合時間は7時半。
レストランで朝食をとり支度をしてバスへ。
小雨の降る中、バスはヴォスへ向かう。
フィヨルド沿いを走っていくので、眺めは飽きない。
晴れていたらもっと湖のような海や滝が映えるんだろうけど。

ヴォスに到着すると、ベルゲン鉄道でミュルダールへ向かう。
特急列車での一時間ほどの旅。
その間も車窓には冷たい雨が流れる。
暖かい車内から見る景色は灰色がかっていて寒々しい。
渓流が現れては消え、滝も次から次へと現れる。
こちらでは滝はめずらしくないそう。
雨が降るとすぐに山からの細い滝ができるとか。

ヴォス駅

ミュルダールからは今回の旅でいちばん楽しみにしていたフロム鉄道に乗車。
ミュルダールからフロムまでの約1時間、車窓からの景観がすばらしいという山岳鉄道。
しかし、雨模様の白く煙った景色に気分はさほど盛り上がらない。
それになんか知ってるぞ、この感じ。
そうだ、黒部のトロッコ電車(窓付きの方)だ。山の眺めといい車両の雰囲気といい。

フロム鉄道車内

この旅行の予約をしたときはちょっと疲れていたから、山岳鉄道に乗りながらぼーっと黄昏るということに憧れて予約したんだけど、なんだかもうそんな気分ではない。

添乗員さんから「窓側のお席は皆さんで仲良く順番に交代してあげてくださいね」というお達しがあり、3列シートを三人で10分ずつくらいで交代する。
しかもうしろには中国人の団体さんがいて激しくにぎやか。
滝などが現れるたびに皆さんで「おっーー!!」という歓声とともにバンザイのポーズ。
私たち、おとなしい中年から高齢者もまじった日本人ツアー組は苦笑しつつ「あんなに喜んでくれたら、添乗員さんも連れてきた甲斐があるだろうね」と話す。
後ろの歓声を聞いているうちに私たちもだんだん楽しくなってきて、景観ポイントが現れるたびに、「おっーー!!」と一緒になってバンザイをするようになっていました。

半分やけくそ。
だけど雨模様のテンションから上がってよかった。
なんでも楽しんだもの勝ちですね。

かわいい家々
ショース滝 下車観光できる


フロムからは世界最長、最深のソグネフィヨルドの遊覧観光。
グドヴァンゲンまでU字型の航路だ。
これがめちゃめちゃ寒かった。気温は8度。
DFDSの中で買ったパーカーが大活躍。
ほんと買っといてよかった、これがなかったら甲板になんか一歩も出ずに、船内の暖房エアコンの下から離れられなかったよ。

フィヨルドの眺めは、鋭角に水面に切り込む山の感じが、なぜか埼玉の秩父の山々と重なってしまった。
いかん、どうも日本の景色を思い浮かべてしまう。
わざわざ飛行機で13時間もかけて、ノルウェーくんだりまでやってきたのだけど
日本でいいんじゃね? と一瞬思ってしまった。

まるでメーテルリンクの青い鳥のお話のように、幸福は身近にあったみたいな。

だけどやっぱり旅に出ることが大事なのだと思う。
日常を脱出して違う民族、文化に生で触れる、新しい出会いや別れを経験するとうことが、長く短い人生の中では大切なのではないか、なんてね。

明日は帰国だ。
あっという間だった。
コペンハーゲン&ノルウェーで6日間というのはちょっと短かったかも。
次はもう少し余裕のある旅をしたいなあ。
と思いながら、ホテルでの最後の夕食で(円安のせいで)高いワインを飲むのでした。


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フラフラミンゴ
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