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「20%セール」と「5人に1人が無料」の違い

実質的な機能は同じだと思ってました。ところがタイムラインで、ちょっと違うんじゃ…というツイートをみかけ、考えてみたら面白い気付きが。そこからの考察メモ。

・A: 10,000円の商品を、20%オフで8,000円で販売。
・B: 10,000円の商品だが、購入者の5人に1人が無料になる。

この2つは売り上げ、原価、利益すべてイコールです。僕も、ルールBのほうに射幸性がある以外は、同じ…だと思っていたのですが、決定的な違いがありました。

セールと無料抽選ではリーチする顧客層が変わる

10,000円の商品が8,000円になると、お財布に8000円しかない人も、商品を購入できるようになります。購買可能なマーケットサイズそのものが、拡大される。「いままで手を出せなかったけど、奮発しちゃおうかな?」という層が生まれるわけです。

一方で、10,000円の商品を20%の確率で無料にするアプローチでは、商品の販売価格は10,000円のままです。つまり、8,000円しか持っていない人は、ひきつづき購入できません。あくまで「10,000円使える人」のためのプロモーションになるわけです。

抽選無料やキャッシュバックは、購買余力があるけど意向が弱かった人を後押しするだけで、マーケットサイズは拡大しません。


インフラや生活必需品は、セールのほうがオススメ

これは、利益というよりはフェアネスの話です。抽選無料システムでは、お金を持っている人のほうがメリットが大きくなります。このため、微妙にですが格差を強化します。万人が必要とする品物では、公平性の高いセールのほうが望ましいのではないかと思います。

また、若者や収入帯の違う客層を広げたい場合には、全体に満遍なくリーチするセールがよいと思われます。


顧客層を維持したい場合には、抽選無料がオススメ

一方で、顧客層を維持したり、流通量が限られる嗜好品などでは、抽選無料が選択肢となりえそうです。抽選システムでは、「その金額を払えるが、まだ乗り気でない人」の背中を後押します。一方で顧客の層を大きく変わりません。

また顧客の基準価格マーカー(相場感)に影響を与えにくいと想定されるので、長期的なリピーター施策などとしても可能性が感じられます。セールの場合は、長期間リピートすると顧客の基準価格がさがり、セールが効きにくくなります。


僕はずっと両者の違いは、「射幸性の有無」にすぎないと思っていました。リーチできる顧客層のコントロールができる、という視点は学び。






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