サービスは荒野に旗を立てるがごとく
サービスを生み出し、集客し、成長させていくとき、皆さんはどんなことをから考えますか?
自分は、一番最初に「荒野に旗を立てる絵」をイメージします。そういうメタファーを起点に考え始める。
まず、何もない荒野に一本の旗を立てる。その旗にどんな紋章を描くのか、聖句を刻むのか、そんなところからはじめます。そして、以下のようなイメージでサービスの道筋を考えます。
1. 荒野がある
最初の状態。まだ何も存在せず、立ち寄るものは誰もいない。
2. 荒野にシンボルとなる旗を立てる
荒野の真ん中に、大義はを高らかに宣言をするシンボル、つまり旗を立てる。旗には「強く明快なビジョン」が描かれています。サービスはここから始まります。
3. 旗を目指して、人々が集まる
噂をたよりに、あるいはシンボルを遠目に見て、理念を同じくする人々が集まりだす。小さなコミューンが生まれる。まだインフラが不自由で、人々は助け合って暮らしている。
4. 荒野に道が切り開かれ、旅上で倒れる人々が減る
人々が集まるにつれ、旅の途中で倒れる人々が増え問題となる。荒地が整備されはじめ、最低限の道や橋が建造される。人々の往来が一気に加速する。
5. 宿泊施設や食堂が建つ
集まる人々が増えると、彼らを相手にする宿泊施設や食堂がでます。行商人も市を開き、町が形成されます。シンボルのまわりに経済圏が発生する。
6. 調停機関や自警団が生まれる
さらに人々が集まると、おなじシンボルを奉じる間でも諍いが起き始める。調停機関や治安組織が必要となる。
7. 都市国家が生まれる
集まった人々が定着し、建物が建ち、馬車が通り、都市国家と言ってもよい自治コミュニティが生まれる。はるか遠方からも人が訪れ、さらに成長をしていく。
サービスの成長は、ある種の宗教的シンボルの周辺に集落が生まれ、都市国家へと変遷していく過程と似ています。直接的なグロースの本よりは、文明の歴史などが参考になるんじゃないかなと、いつも思ってます。
「ゴールドが掘れれば人は集まる!」と考える人も多いでしょう。ですが、そのような街では、人々が金塊を掘り尽くしたら何ものこりません。みな、次の金鉱を求めて移動をするでしょう。
だから、最初にあるべきなのは、「この地が誰のための、どういう場所なのか?」を示すシンボルではないかと思うのです。そういう場所は、「約束の地」として、シンボルが輝き続けるかぎり人は集まってくれる。
一番最初に旗を建てることが、僕はとても重要だと考えています。