noteという都市国家について
noteもいよいよ5周年。自分の中でのnoteの設計観や、抱負などについて。
僕がnoteのお手伝いを始めたのが、2017の10月。あれからちょうど1年半。カイゼンチームの設立や、みんなの頑張り、日経さんとの提携など、色々な変化がありました。ありがたいことに、MAUは5倍ぐらい成長しています。
サービスの成長はとてもよいことですが、ちょっと急成長しすぎなのも事実。うかれすぎず、油断せず、堅実にバランスをとっていく…そんな1年にしたいと思います。
5周年目に取り組むべき課題
noteにとって、これから特に重要となるのは、成長と健全さのバランスをとっていくことでしょう。
自分はnoteのサービス施策は、「都市国家」をメタファーにしながら考えています。そういった視点で考えると、noteはこの急成長成長に伴い、これからドイツの移民問題、あるいは中国の都心部への出稼ぎ問題に近い現象と、向き合っていくことになります。
都市が繁栄すると、地続きの周辺地域から多くの人々がやってきます。新しい市民が増えること、それ自体はポジティヴです。人材の多様性が増し、労働人口(この場合はクリエイター)が増えるためです。一方で、急速な人口の増加は、都市インフラのキャパを圧迫します。また、新旧の住民の間でさまざまな軋轢が生まれていきます。つまり、街がゴチャゴチャしたり、治安が悪くなることに備えなければなりません。
想定されるポジティヴ要素
・多様性の増加により文化が活性化する
・人口増加で経済圏の巨大化
・経済の活性化による、税収の増加
・税収増加による、都市への設備投資の増加
・外国(他サービス)との貿易の活性化
想定されるネガティヴ要素
・治安の悪化
・インフラのパンク
・新旧住民の文化的な軋轢
・既存住民のチャンスや職の相対的な減少
・新住民と既存住民の格差
・人口比率の変化による文化の変質
そのような状況で、noteはどうすべきか?
こうやって見てみると、もはや軽い社会実験ですね。メルケルさんが鼻血出しながら頑張ってることを、小規模ですがnoteも挑戦しなければならないようです。
もっとも大事なことは、治安とカルチャーを維持すること。コミュニティが急拡大するということは、既存ユーザーが突然マイノリティになり、温めていた文化が消し飛ぶ可能性を秘めています。ここの部分をしっかり守ることが、僕らの大事なお仕事になります。
ToDoリスト
・治安維持への投資
・インフラへの投資
・新しい住人に、noteという世界の基本理念やカルチャーを伝える
・新しい住人と、古くからの住人を積極的に交流させる
・新しい住人に、サクセスのチャンスを与える
・古い住人が、新しい住人にチャンスを奪われたと感じないようにする
・変化が急激すぎる場合には、あえて速度を落とす
新しく入ってきたユーザーに、「noteはこんな場所だよ」というのをしっかり明示すること。お手本をしめしていくこと。古い文化を守りつつも、新しい風を呼び込む。従来からのユーザーの保守化を防ぎ、ゆるやかな新旧同化する。など新しいことと古いことのバランスを保ちながら、を目指していきたいと思います。
大変なこともありますが、とってもエキサイティングですね。一緒にやってくれる仲間も大募集。
まぁ、難しいことは運営が考えるので、クリエイターのみなさんはシンプルに、良いものを「つくる」、良い人たちで「つながる」、みんなに「届ける」ということで、楽しく創作をおこなっていただけたらと思います。
そんなわけでnote 5周年目も、よろしくお願いいたします。
いただいたサポートは、コロナでオフィスいけてないので、コロナあけにnoteチームにピザおごったり、サービス設計の参考書籍代にします。