決して止まらないカイゼン体制を作りたい
中長期のための大きなデザインも大事だけど、そのために日々の改修が犠牲になってはならない(その逆は言語道断)。そんなわけで、しばらくの間は、1〜2日で終わる小さな改修を、コンスタントにnoteチームに提案したいなぁと考えている。
もちろん、「リソースが許せば」だけれども。なぜならpiece of cakeにはまだデザイナーが1人しかいないことだ。そんなわけで、中長期でどういうチームを作るべきかウンウン唸っている。
並行して走るスロットが3-4つ欲しい
理想を言えば、デザイン/開発リソースを3つのグループにわけたい。「大局リソース」、「開発リソース」、「カイゼンリソース」の3つだ。これらはそれぞれ独立しているのが望ましい。複数のレイヤーを1人のスタッフが兼任していると、どれかが忙しくなると、他の全てがストップしてしまうからだ。
大局リソース
ガイドライン、コンポーネントなど、会社全体にストックされるアセットを作るリソース。短期KPIに巻き込まれずに、大局的にサービスをよくする。
開発リソース
1-2ヶ月サイクルで新機能や新製品を作るリソース。
カイゼンリソース
1-2日単位でできる、グロース、実験、改善を行うチーム。短期KPIに巻き込まれずにデイリーでかゆいところを改善して行く。
fladdict式カイゼンフォーメーションの図(理想図)
今のpiece of cakeの規模感だと、いきなりこの体制を作るのは無理がある。でも、少しづつでも、この構造に組織をリデザインしていくことが、最終的には近道になるはずと考える。
短期指標や局所最適化戦い、持続可能性を守りきる
なぜ、このようなチーム編成が必要か?というと、それはサービスの持続可能性を守りきるためだ。
サービスの持続性を脅かす最大の敵は、「今期の目標」と行った短期指標や、過剰なA/Bテストによる局所最適化だ。経営指標としての「今期の目標」は、ビジネスの成長性を担保するために確かに重要な数字ではあるが、本質的には「持続可能性」のためのサブ指標にすぎない。
大事なのはサービスの「持続可能性」である。目先の短期目標を数字の額面、だけ達成するために「持続可能性」や「長期的発展」が脅かされることがあってはならないと考える。
ところが多くの企業は、その制度的な問題上、「今期の目標をあげる」という呪いに絡め取られている。結果、見せかけだけの数値を達成するために、歪んだ施策が実行されることになる。
DL数を達成するためだけに、ターゲット外のユーザーに広告を打つ。ページビューを水増しするために、複数ページに分割する。継続率をあげるために、Push通知を乱打する。退会率を下げるために退会ページを隠す…
これらは、全て「本質的でない目標を達成するため」に、長期のサービス持続性を犠牲に行われる施策である。およそ普くサービスは、時間の経過とともに、本質的でない機能や施策を抱え込んで行く。そして、身動きが取れなくなったとき、サービスは寿命を迎え死ぬ。
このような構造上の課題は、現場では絶対に変えることができない。だからこそ、こういった構造にメスを入れることが、経営チーム、CxOの責務だと考える。
問題を解決するには、制度そのものをデザインし直すことが必要となる。具体的には、「短期目標を達成するリソース」から完全に分離した「独立したリソース」を作り、その必要性のコンセンサスを取り付けることだ。
短期指標から解放されたチームがあれば、新機能や新商品のリリースがあってもカイゼンは止まらない。またチーム全体を加速させるアセットの作成もそのチームが担うことができる。一朝一夕にできることではないが、少しづつそのような体制を作っていきたい。また、そのような体制をスタンダードにしていきたい。
今日のカイゼン
追伸
見出しのみですが、約物(鉤括弧など)のスペーシングが、半角分だけ詰まるようになりました。
今までは、行頭に鉤括弧が来ると、ボコンと凹んで見えていました。これからは、ちゃんと揃うようになりました。これで目線がガタガタしないで済みます。noteチームのみなさん、忙しい中ありがとうございます!
こういった小さな改修は、大局のデザインとは無関係に、気づいたらちょこちょこと直せるようなチームにしたいなぁと思います。そのためには、最低でも数人デザイナ(とフロントエンジニア)が必要。
そんなわけで、piece of cake と noteでは、引き続きデザイナさんを大募集しています。「正しいことを正しく」できず、ストレスが溜まっているデザイナさんは、ぜひご一報ください。