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noteを「7日間は購入キャンセルOK」にしたらどうなるか?

noteの販売コンテンツを「7日間は購入キャンセル可能」にしたら、どうなるだろうか?

あくまで思考実験のメモ。noteチームは常に攻めの姿勢をくずさず、あらゆる可能性を考えていきたいと思います。もっともインパクトが巨大すぎる上に不透明なので、まだやる予定はない(個人的には試してみたい)。

以下、想定されるエフェクト。


流通額の大幅な増加(ポジティヴ)

ユーザーはリスクなく、気軽に購入できるようになる。このため、note全体での購入が活性化すると予想される。


高額noteの販売増加(ポジティヴ)

ユーザーのリスクが減るため、より高額なノートが売れるようになる。あわせて、評価の高いノートは総じて金額と利益が増加傾向になると思われる。


既存ユーザーからの大きな反発(ネガティヴ)

インパクトが巨大なため、相当数のユーザーが保守的な反応を示すと思われる。ユーザーからは「任意にOn/Offさせてくれ」という声が想定される。実際には、ルールが混在するほうが混乱を呼ぶため、できればまとめてやることが望ましいが…そのための説得は困難を極めると思われる。


返金リピーターへの制裁措置(ネガティヴ)

7日間返金を悪用して、連載漫画を返品しながら読むバカの発生が予想される。抑止措置として、短期間で一定回数連続で返金をするユーザーを、悪質顧客としてBANする処置などが必要になると思われる。(多分、機械学習でアラートを出した後、CS部門などで目視で調査するんだろうか?)。実際にはクレカ情報を握られているため(修正: クレカ情報ではなくユーザーIDか。ペイメントサービス経由だからクレカ持ってない?)。あまりに頭がおかしい行動は不可能であり、問題ユーザーは少数に止まると予測される。

(追記、要は決済情報が紐づいていると、警察が介入する事案になったとき、すぐに身元がつきとめられる)。

低品質なノートの大幅な減少(ポジティヴ)

値段に見合わないノートは、積極的に返金がおきると予想される。このため低品質ノートへの値下げバイアスが予想される。また、あぶく銭系のノートの大幅撤退が想定される。


情報集積系コンテンツへのマイナス補正(ネガティヴ?)

単純な情報列挙系のコンテンツの価値が減少する。コピーされやすく、また返金されやすいためだ。単純な知識系コンテンツは撤退や、値下げに見舞われる可能性がある。結果的に流通コンテンツ全体で、エピソード性や著者の体験、意見、エモーションなどを含んだコンテンツが増加すると思われる。短期的にはネガティヴだが、中長期ではポジティヴになる可能性は高い。


治安の向上(ポジティヴ)

返金騒動やアンチの焼き討ちなどが減るため、基本的には治安は向上する。




オプションによる返金不可(ネガティヴ)

一部コンテンツについては、返金不可をオプションで作る必要があるかもしれない。その場合は、購入時に「このコンテンツは、販売者の移行により返金不可です」みたいのを出されることになる(法律上OKならば)。オプションとしては選択可能であるが、返金不可コンテンツの売り上げは必然的に下がるだろう。基本的には「返金不可」は人よけ、炎上よけとして使われることになる。


出版社の撤退?(ネガティヴ)

おそらく現在の出版社は、高確率で返金OKの条件を受け入れられない。結果的に大手コンテンツは撤退する可能性がある。あるいは、上記のような返金不可オプションが必要となるだろう。


ファンとの長期的な関係性の最大化(ポジティヴ)

野次馬やマッチしなかった一見さんは、即座に返金するようになる。結果的に購読ユーザーに残るのは、純度の高いファンに限定される。これによりユーザーコミュニティはよりポジティヴに、平和なものになると思われる。


ざっとこんなところだろうか? 個人的にはポジティヴな利点が多いように思える。いったん売り上げ等が落ちるかもしれないが、ネガティヴ要素は短期的な問題に集中している。

中長期で考えた場合には「返金を考慮にいれた」長期視野のコンテンツ、ファン的関係性をもつコンテンツが伸び、焼畑系の産業に負のインセンティヴがかかることが予想される。

返金率は5%ぐらいになるだろうが、総流通額は上昇し、良い記事ほど売り上げが上がることが予想される。また低品質なコンテンツほど退場率が上がり、同様に悪質な読者ほど、退場率が高まることが予想される。

どっかのタイミングで実証実験をしてみたい。noteでやるかもしれないし、noteじゃないクライアントでやるかもしれない。とにかく試してみたいなぁと思う。いまのところ、やる予定はありませんが。


ワイルドな施策案なので賛否両論だと思いますが、みなさんはどう思いますか?お気軽にご意見をお寄せください(この記事を埋め込んでノートを買いてもらえれば、通知がくるので目を通すようにします)。

いただいたサポートは、コロナでオフィスいけてないので、コロナあけにnoteチームにピザおごったり、サービス設計の参考書籍代にします。