「箱」と外向き思考(その29) 日本社会の潮流:成果主義
よりよい人間関係を築くとともに、組織やチームの成果を高めることができる考え方である「『箱』と外向き思考」について書いています。
前回から、「箱」や「外向きのマインドセット」についての私見を徒然なるままに綴り始めました。
今日は、成果主義と箱の関係について書いてみたいと思います。
その前に、アービンジャーが考えている「働くことの意味」について書いておきたいと思います。アービンジャーでは、私たちが組織やチームの一員として働くということには以下の2つの意味があると考えています。
1 自分自身が成果を上げる
2 他の人が成果を上げることに協力する
いかがでしょうか?
1は当然のこととして、組織やチームで働く上では2が重要だということをアービンジャーでは強調しています。考えてみればこれも当然のことで、みんなが自分の成果ばかりを考えて行動していたとしたら、それはチームとは言えないですよね。
そこで、成果主義の話になります。
1990年代の後半から、日本企業で広く成果主義が導入されるようになりました。それまでの日本企業は年功的な処遇が中心的に行われていたのですが、もっと成果を重視した評価を行い、年功ではなくて実績に応じた処遇を行おうという狙いがあったと思います。
企業活動を行う以上、個々人がきちんと成果を上げることは当然に必要なことなので、成果に応じた処遇を行うという考えは全く間違っていないことです。
しかしながら、個々人が自分の成果ばかりに目が向いてしまい、周りの人の成果や組織全体の目標達成を意識しなくなってしまうと、それは「内向きのマインドセット」になってしまいます。
成果主義の導入と合わせて、目標管理を取り入れる企業が多く、今では多くの企業が目標管理を実施していると思います。目標管理は、ドラッカーが提唱したマネジメント手法ですが、残念ながらその思想を正しく理解して行えている人は少ないのではないかと思います。そのことについては以前こちらの記事に書きましたので、是非ご一読ください。
評価において大切なこと(その4)2020年8月30日
成果主義と目標管理が広く行われるようになるにつれて、日本社会全体で人と人との関係が希薄になり、「内向きのマインドセット」の傾向が強まってしまっているのではないかと感じています。それはとても残念なことで、働くことの楽しさや働くことを通じて得ることができる喜びなどが犠牲になってしまっていると思います。
目標管理や成果主義をほんとうにうまく機能させたいとしたら、一人ひとりのメンバーが他のメンバーをサポートしながら自分自身の目標を達成することを促すような仕組みや評価体系を取り入れるべきだと思います。
もっと詳しく知りたいという方は、アービンジャーの無料説明会やセミナーにご参加することをお勧めします。
いかがでしたでしょうか?
次回は「箱と仏教思想」について書いてみたいと思います。
どうぞお楽しみに!
株式会社F&Lアソシエイツ
代表取締役 大竹哲郎
https://www.fl-a.co.jp/
「『箱』と外向き思考」は、アメリカの Arbinger Institute という機関が生み出した考え方で、今では世界中の国で、自己啓発や組織開発に用いられています。日本では、福岡に本社を構えているアービンジャー・インスティチュート・ジャパン株式会社が日本の総代理店としてセミナーやコンサルティングを提供しています。
弊社は、アービンジャー・インスティチュート・ジャパン株式会社の代理店として、その普及に努めています。「箱」や「外向き思考」についてもっと深く知りたいという方は、無料説明会や有料セミナーに是非ご参加ください!
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