「箱」と外向き思考(その25) 影響のピラミッドモデル:時間と労力の使い方
よりよい人間関係を築くとともに、組織やチームの成果を高めることができる考え方である「『箱』と外向き思考」について書いています。
前回の記事で、「影響のピラミッドモデル」の全体像をお示ししました。
私たちは、相手の変化をサポートするとき、
■ 相手を正す
■ 相手が正しい方向に進むように手助けをする
のどちらかに時間と労力を使っています。
この二つのどちらにより多くの時間や労力をかけるべきかというのが今回のテーマです。
ちょっと考えてみてください。
「正す」のは誰の課題でしょうか?
「正しい方向に進むように手助けをする」のは誰の課題でしょうか?
言い換えると、それを決めるのは誰でしょうか?
そうです。
「正す」のは相手の課題。
「正しい方向に進むように手助けをする」のは自分の課題です。
では、どちらがよりコントロールしやすいでしょうか?
答えは後者です。
自分がいくら正そうとしても、最終的に正すかどうかは相手が決めることです。一方、相手のための手助けは、自分で決めて自分が好きなだけすることができます。
ですから私たちは、「正しい方向に進むように手助けをする」ことにより多くの時間や労力をかけるべきなのです。
そのことを、上の図の面積が表しているのです。それぞれの階層の面積が、そこに使うべき時間や労力の量を表しています。だから三角形(ピラミッド)になるのですね。
そして、そのためにも、「箱から出て、マインドセットを外向きにする」ことが大切なのです。
もし、箱の中にいて、内向きのマインドセットだったらどうでしょうか?
箱の中にいるとき、私たちは自分自身を正当化して相手を責めてばかりになります。ということは、相手を非難して正そうとすることばかりに時間と労力をかけてしまいます。そうなると、下の図のようになってしまいます。
いかがでしょうか?
最初の図と比べると不安定だし、これでは相手との信頼関係も弱まる一方です。
このように、マインドセットは時間や労力の使い方にも影響を及ぼします。
それが、前回お示しした「影響のピラミッドモデル」のポイントの1つめ、
1.「相手を正す」ことより「相手が正しい方向に進むように手助けをする」ことのほうに、より多くの時間や労力を使いましょう。
の意味だったのです。
次回はポイントの2つめ、
2.一つの段階でうまくいかないときは、一つ下の段階に戻りましょう。
について説明します。
どうぞお楽しみに!
株式会社F&Lアソシエイツ
代表取締役 大竹哲郎
https://www.fl-a.co.jp/
「『箱』と外向き思考」は、アメリカの Arbinger Institute という機関が生み出した考え方で、今では世界中の国で、自己啓発や組織開発に用いられています。日本では、福岡に本社を構えているアービンジャー・インスティチュート・ジャパン株式会社が日本の総代理店としてセミナーやコンサルティングを提供しています。
弊社は、アービンジャー・インスティチュート・ジャパン株式会社の代理店として、その普及に努めています。「箱」や「外向き思考」についてもっと深く知りたいという方は、無料説明会や有料セミナーに是非ご参加ください!
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