セルフ・メンタルコーチング(その14) 自己効力感の高め方:代理体験
今回は、自己効力感を高めるための7つの方法の2つめ、「代理体験」について紹介します。
代理体験とは、他者の成功体験を見て「自分にもできるかも知れない」と捉えることです。
私自身が大学生だった時の話です。
私は一人旅が好きで、自転車で北海道を一周するなどの旅を行っていました。旅に関するいろいろな本を読み、「いつかは海外への一人旅に出てみたい」と思っていました。でも、私の中には「海外への一人旅はとてもたいへんなこと」、「簡単にできるわけがない」という思いがありました。
今とは違い、インターネットもない、スマホもない、チケットやホテルを予約できるサイトもない時代です。海外への一人旅はとてもハードルの高いものでした。
ある日、友人のT君と話していたところ、T君が中国のシルクロードを一人で訪ねたということがわかりました。話を聞き、写真を見せてもらい、とても興奮したことを覚えています。
T君はどちらかと言えば大人しいタイプで、そんな彼が海外への一人旅に出かけたということが私にはとても驚きでした。
彼の話を聞いているうちに、「自分にもできるかもしれない」という思いが湧いてきました。
そして、いろいろと情報を集め、実際に海外に一人で出かけてみることができました。
中国シルクロードへの1ヶ月の旅、
南米ペルー&ボリビアへの1ヶ月半の旅、
いずれもよい思い出です。
これが、代理体験による自己効力感の向上です。
ほかにも例を挙げればいろいろあります。
友人がフルマラソンを完走した、
兄が難関大学に合格した、
同僚がTOEICで850点を取った、
ママ友がインスタグラムで2万フォロワー獲得した、
などなど。
「あの人ができたんだから、自分にもできるかもしれない」
そのように考えて自己効力感を高めることができるのです。
ここで注意したいのは、自分へのネガティブな思いに囚われないようにすることです。
「あの人はできたけど、どうせ自分にはできない」と思ってしまっては、できない自分から脱却することはできません。
相手と自分は等身大。持って生まれた能力の差はほとんどないはずです。
他者の成功体験をどんどん集め、自分にできそうなことを探してみましょう。
次回は「言語的説得」について解説します。
どうぞお楽しみに!
株式会社F&Lアソシエイツ
代表取締役 大竹哲郎
https://www.fl-a.co.jp/