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19/20 セリエA各クラブにおけるボールタッチとプレッシングの傾向【Part 2】

前回に引き続き、タイトルについて残りの10クラブを見ていく。
前回の記事はこちら。

調査項目

<データ参照元>

■各ゾーンにおけるタッチ数の割合
・ポゼッション率
・自陣側PA内でのタッチ数(%)
・ディフェンシブサードでのタッチ数(%)
・ミドルサードでのタッチ数(%)
・アタッキングサードでのタッチ数(%)
・相手側PA内でのタッチ数(%)
■各ゾーンにおけるプレッシングの割合
・プレッシング成功率
・ディフェンシブサードでのプレッシング(%)
・ミドルサードでのプレッシング(%)
・アタッキングサードでのプレッシング(%)

サマリー

■各ゾーンにおけるタッチ数の割合

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■各ゾーンにおけるプレッシングの割合

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各項目の上位と下位6クラブは色分けしている。
また、ポゼッション以外の項目はリーグ平均値との差を併記した。

ピッチの図は以下のサイトで作って画像編集ソフトで加工した。

それでは残りの10クラブのデータをアルファベット順に見ていく。

【レッチェ】

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■各ゾーンにおけるタッチ数の割合
ポゼッション率(17位)、自陣側PA内(3位)、ディフェンシブサード(2位)、ミドルサード(19位)、アタッキングサード(18位)と完全に後ろ重心でボールも持てていないが、相手側PA内の数字は比較的マシ。
苦しいながらも、相手側PA内には一定数ボールを運べていたという事か。

■各ゾーンにおけるプレッシングの割合
ディフェンシブサード(1位)、ミドルサード(16位)、アタッキングサード(19位)とこちらも完全に後ろ重心。
また、プレッシング成功率19位と機能していたとは言えないだろう。
降格するべくしてしたという感じ。

【ミラン】

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■各ゾーンにおけるタッチ数の割合
序盤の大失態があったので、正直ここまで全項目が良いとは思わなかった。
ポゼッション率(5位)、自陣側PA内及びディフェンシブサード(17位)、ミドルサード及びアタッキングサード(5位)、相手側PA内(6位)となっており、バランスが良い。

■各ゾーンにおけるプレッシングの割合
こちらもプレッシング成功率(7位)、ディフェンシブサード(16位)、ミドルサード(3位)、アタッキングサード(6位)と、中盤より前からのプレッシングが機能していると言える。
高齢のイブラがいるのにこの数字は立派だろう。
来季はEL予備予選があるので日程的にも人的にもかなり厳しい戦いになるはずだが、補強次第ではかなり期待できるのではないか?(ピオーリ2年目のジンクスは知りません)

【ナポリ】

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■各ゾーンにおけるタッチ数の割合
ポゼッション率(1位)、自陣側PA内及びディフェンシブサード(18位)、ミドルサード(2位)、アタッキングサード(3位)と完全にボールを支配している。
しかしながら、相手側PA内が11位と若干物足りない数字である。
来季はカジェホンが退団、オシムヘン加入で攻撃陣に変化があるはずで、どう数字に影響してくるか。

■各ゾーンにおけるプレッシングの割合
ディフェンシブサード(19位)、アタッキングサード(1位)と積極的にハイプレスをかけていた事が分かる。
ガットゥーゾ体制になって暫くはドン引きサッカーをしていたで、ちょっと予想と違う数字だが、ミドルサードが8位と若干割合が少ないのは、きっちり4-1-4-1のブロック守備を敷いていたからと捉えていいのかもしれない。

【パルマ】

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■各ゾーンにおけるタッチ数の割合
ポゼッション率(18位)、自陣側PA内(1位)、ディフェンシブサード(3位)、ミドルサード(18位)、アタッキングサード(19位)と予想通りの完全後ろ重心。
それでも相手側PA内が7位なのは、ロングカウンター戦術を徹底してそれが機能していたと言えるのではないか。

■各ゾーンにおけるプレッシングの割合
ディフェンシブサード(2位)、アタッキングサード(20位)と完全に引いて守っている。
が、パルマの場合はそれが戦術なので、タッチ数のところでも触れたがロングカウンターが機能していれば問題ないと言えるだろう。
ただし、プレッシング成功率(16位)は改善の余地ありかもしれない。

【ローマ】

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■各ゾーンにおけるタッチ数の割合
自陣側PA内及びディフェンシブサード(16位)で中盤より前、特に相手側PA内(2位)でボールに触れている。
実際、得点は77と結果もそれなりに出ているので、失点をもう少し減らせればCL圏内に戻れるのではないか。
とはいえローマの問題はフロントにあったので、フリードキン体制になってどこまで改善できるか。

■各ゾーンにおけるプレッシングの割合
プレッシング成功率(4位)、ディフェンシブサード(15位)、ミドルサード(2位)と中盤でのプレッシングが機能していたようだ。
ローマダービーではジェコとWGの3人でのハイプレスが機能していたので、アタッキングサードの成績がもっといいかと思ったが予想が外れた。

【サンプドリア】

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■各ゾーンにおけるタッチ数の割合
ポゼッション率は19位とリーグ最低レベルだが、各ゾーンの割合はバランスがいい。ある程度効率的に前線にボールを運べていたのではないか。
まあ、中盤から前のタレントを考えれば、もっと高い数字を出せてもいい気はするが。

■各ゾーンにおけるプレッシングの割合
意外にもミドルサードが4位と好成績。しかもアタッキングサードも平均値なので、むしろ重心はやや前と言えるかもしれない。
ただし、プレッシング成功率は17位と低いので、要改善だろう。

【サッスオーロ】

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■各ゾーンにおけるタッチ数の割合
ポゼッション率(3位)、自陣側PA内及びディフェンシブサード(15位)、ミドルサード(3位)と中盤でボールを持てている。
デ・ゼルビ流ポジショナルプレーが成熟してきたと言えるだろう。
一方、相手側PA内では17位と低い成績なので、もっと工夫の余地があるか。

■各ゾーンにおけるプレッシングの割合
ミドルサード(18位)の成績は低い分、アタッキングサードの成績は4位とハイプレスを積極的に行っている事が数字に表れている。
しかも特筆すべきはプレッシング成功率の高さがなんと2位。
サッスオーロの戦力でこれだけの数字を残せるようになったのならば、デ・ゼルビはそろそろステップアップを考えてもよさそう。

【SPAL】

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■各ゾーンにおけるタッチ数の割合
自陣側PA内(5位)だがディフェンシブサードとミドルサードはそこまで低くないため、重心は低いものの中盤まではボールを運べていたようだ。
ただし、アタッキングサード(17位)、相手側PA内(19位)と前方でのプレーが少なく、得点が少ない(27)のも至極当然か。

■各ゾーンにおけるプレッシングの割合
アタッキングサードの数字が15位と低いが、他2つのゾーンは平均的。
タッチ数もそうだが、SPALは他の下位クラブと比べ、極端に後ろ重心ではないようだ。
ただし、プレッシング成功率は18位と最低レベルで、実際この項目のワースト3が揃って降格している事を考えると、よく否定されるドン引きサッカーが本質的に悪ではないと言えるのではないか。

【トリノ】

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■各ゾーンにおけるタッチ数の割合
自陣側PA内及びディフェンシブサード(7位)、相手側PA内(8位)と平均以上だが、ミドルサードの数字が17位と低い。
これは中盤を省略してカウンターを狙っていた事の表れと思われる。

■各ゾーンにおけるプレッシングの割合
ディフェンシブサードが6位と高いが、ジェノア、ラツィオとほぼ差はないし、ミドルサードとアタッキングサードの成績も極端に低くないので、押し込まれていたというよりハイプレスを採用していなかったと言えるのではないか。
ただし、プレッシング成功率は14位と平均以下で、昨季(29.3%)の面影がなかった。

【ウディネーゼ】

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■各ゾーンにおけるタッチ数の割合
ポゼッション率(16位)、ディフェンシブサード(4位)、ミドルサード及びアタッキングサード(16位)、相手側PA内(15位)と完全に後ろ重心である。
これでは得点が奪えない(37)のも当たり前か。

■各ゾーンにおけるプレッシングの割合
ディフェンシブサード(4位)、ミドルサード(19位)、アタッキングサード(17位)と完全に後ろ重心で、プレッシング成功率も15位と機能していない。
これでどうやってクリーンシート1位タイ(14)になったのか不思議でしょうがないが、それだけムッソが優秀だったという事か。

おわりに

Part1、Part2どちらも3000文字以上と長くなってしまったが、まとめると全20クラブの内、データが印象通りかどうかは以下の通りだった。

■概ね印象通りのクラブ
・アタランタ
・ボローニャ
・ブレシア
・ユヴェントス
・レッチェ
・パルマ
・サッスオーロ
・SPAL
・トリノ
■印象と違ったクラブ
・カリアリ
・フィオレンティーナ
・ジェノア
・エラス・ヴェローナ
・インテル
・ラツィオ
・ミラン
・ナポリ
・ローマ
・サンプドリア
・ウディネーゼ

約半数は一致しないという結果に。やはり人間の印象とは当てにならないものである。
ただ、私はどうしてもユヴェントス戦メインで観戦していて、特に下位クラブ同士の試合の観戦数は少ないので、別のクラブのファンやセリエAの全試合をチェックしているという猛者からしたら、「いやいや、イメージ通りの結果だよ」と言われるかもしれない。
所謂セリエAクラスタの方は、自分の好きなクラブの部分だけでも是非読んでみてほしい。

それでは。

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