【Serie A】【第4節】2020.10.18 Crotone vs Juventus
遅くなってしまったが、Serie AとCLまとめて2つ記事を投稿。まずはCrotone戦から。
コロナウィルス感染でRonaldoがいない中、Morataをどう生かすか注目して観戦。
今節も基本的なシステムは変わらなかったので、今回は4局面ではなく個人的に気になった点を個別に見ていく。
【スターティングメンバー】
Chiesaが早速スタメン。Arthurもスタメンから。負傷のRamseyの代わりにPortanovaが抜擢。
【Morata起用の効果】
①ハイプレスの頻度増加
Ronaldoの代わりにMorataを起用した事で、前節までよりハイプレスの頻度が高かった。
アタッキングサードからマンツーマン気味にハイプレスを仕掛けていた。
Kulusevskiは基本的にアンカーのCigariniにお付き合い。
DaniloはRecaのところまで飛び出してプレッシングしていた。
気になったのは、Crotoneの2トップに対し、最後尾をCB2枚で守っていた事。恐らくPirloはDFラインを1枚余らせる事よりもハイプレスの人員に人数を割く事を優先しているのだろうが、リスク管理上問題があると思う。
詳しくは後述する。
②ロングボールからのポストプレー
CFがMorataになった事で、ロングボールを彼が落とすパターンが新たに増えた。同点ゴールのシーンはまさにそれ。
このようにポストプレーからサイドへのスルーパス、ないしは1vs1の状況を作り出せれば、Cuadradoや新加入のChiesaが活躍できるシーンが増えると思う。
【Arthurの問題点】
①後ろ向きでボールを持ち過ぎ
ビルドアップ時に後ろ向きでボールを受ける際に、体の向きが真正面で受けてしまい、その上無理に前を向こうとターンを繰り返すので、ボールを持つ時間が必要以上に長い。
テクニックに優れているので今のところは誤魔化せているが、例えばBayernと当たればMüllerあたりの恰好の餌食になりそう。
BarçaでXaviの後継者と呼ばれていた割に、SterlingみたいにPepに個別指導されそう。
体の向きを半身で受けるとか、後ろから相手がプレッシングに来てたらワンタッチでCBに返すとか改善してほしい。
②被カウンター時の対応の悪さ
加入間もないので、グループでの守備はこれから向上すると期待しておくとして、個人の対応においてPKの直前のシーンで気になる点があった。
- 11'
相手のスローインからハイプレスをかけて、一旦ボールを奪ったもののBentancurのパスカットされ、こぼれ球を拾われカウンターを受けたシーン。
J. MessiasにはArthurが十分対応できる位置にいたが、J. Messiasのトラップが少し浮いたタイミングでArthurが足を止めてしまい、緩急ひとつでJ. Messiasに置き去りにされている。
左サイドのVulićをケアしてこの位置で止まったのかもしれないが(仮にVulićにパスを出されてもDaniloが対応できたはず)、それで縦に突破されては本末転倒。
縦を切って相手の攻撃を遅らせるか、できなければファウルで止める必要があったろう。
Pirloのシステム上、2人のDHは被カウンター時の対応の精度を求められるので、こういう軽い守備はなくしてほしい。
【予防的カバーリング/マーキング】
ハイプレスの頻度増加の項でも述べたが、攻撃時もプレッシング時もCrotoneの2トップに対して最後尾がCB2人で2vs2になっているのはリスキーな選択だと考える。
ハイプレスにしろカウンタープレッシングにしろ、中盤より前で奪えれば理想的だが、中盤の圧力が弱く縦パスを通されるシーンや、ロングボールを2トップ目がけて蹴られて数的同数でチャンスを作られるシーンが目立った。下図はその1シーン。
- 21'
いくらカウンタープレッシングやハイプレスに人数をかけても、ロングボール1本で数的同数になられてはリスクが高すぎるし、そもそもCLではビルドアップに長けたチームがゴロゴロいるので、かわされる危険性も上がる。
やはり前線はカバーシャドウで1人で相手2人を見る守備が必要だと思う(イメージとしては下図のような形)。
【中盤からの飛び出しへの対応】
Crotoneの中盤からの飛び出しに対して、Juveの中盤がついて行くのかDFラインに受け渡すか、対応が中途半端なシーンが目立った。
- 53'
PortanovaがついていかずDFラインに任せているが、DemiralはマンマークしていたしFrabottaは少し位置が遠かったので、手抜き感が否めない。
まあ、そもそもMolinaを中盤でフリーにしている時点でポジショニングが甘いと思うが。
- 55'
RecaからJ. Messiasの楔が入った時点でArthurとBonucciで2vs1なのに、易々とポストプレーを許している。ここでもArthurのプレッシングのかけ方がまずい。
更に中盤から飛び出したCigariniをChiesaが無視。PA内に侵入されているのに棒立ちは不味かろう。
【総括】
Crotoneが勝ち点0とは思えない好プレーをしていた事もあるが、やはり昇格組からは確実に勝ち点3を取りたかった。
相変わらずリスク管理に問題があると考える。
一方で、MorataとChiesaは今後活躍してくれそうなプレーを見せてくれたし、Ronaldoがいない事で守備のインテンシティが明らかに上がったので、やっぱり戦術上Ronaldo不要論は正しい気がする。
得点がほしい時のスーパーサブにできれば最高なんだが、Ronaldo本人が納得しないだろうし、出場時間に対する年俸がえらい事になってしまうな。