眞島めいり『みつきの雪』講談社〔背景説明・登場人物・あらすじ/急いで内容をつかみたい受験生向け〕
眞島めいり『みつきの雪』講談社
2021年に
・学習院中等科
・実践女子学園中学校
で出題されています。
★背景説明
舞台は信州〔長野県〕の小さな村。主人公の満希は高校三年生の女の子です。
物語は満希の卒業式の前日から始まります。高校を卒業したら、満希は事務職で働くことになっています。そんな満希に学校からの帰りがけに「一緒に帰ろう」と声をかけたのは行人。満希と同じ村に住む高校三年生です。行人はもともと小学校五年生の時に千葉から来た山村留学生でした。山村留学というのは、主に都市部の子が別の地域へ移住して、寄宿生活をしながら地元の学校へ通う仕組みです。
★登場人物
桑島満希〔くわしま みつき〕
主人公。高校三年生。卒業したら実家〔両親といっしょの家〕に住んで事務職で働く。
野見山行人〔のみやま ゆきと〕
満希と同じ村に住む高校三年生の男の子。卒業したら栃木の大学の医学部に進む。
清香
満希の友達。卒業したらスポーツトレーナーの専門学校に進む。
真波
満希の友達。卒業したら地元の町役場に勤める。
★あらすじ
高校を卒業する前の日、満希は同じ村に住む行人と一緒に村に帰ります。小さな村に暮らす満希と行人は、小学五年生の冬から中三までずっと二人きりの同級生でした。帰宅する道々、満希は行人と一緒に過ごした七年間を思い起こします。
行人は七年前に山村留学生として満希の村へやってきました。初めのうち、満希は行人と親しくなり過ぎないように気を付けていました。山村留学生は二年間で戻る決まりだったし、四年生のときにきた山村留学生の女の子とせっかく親しくなったつもりだったのに、相手の子は本当はずっともとの町に帰りたがっていたことをしって傷ついたことがあったからです。しかし、行人は二年たっても村を離れず、そのまま満希といっしょの学校に通い続けました。
中学三年生のとき、満希は行人といっしょに図書準備室にいたとき手に怪我をして、縫った跡が残ってしまいます。行人は「満希、ごめん」と繰り返しますが、そのために二人の間柄が気まずくなったり高校受験に失敗したりすることはありませんでした。
小中学校とはちがって人数の多い高校に進んだ満希と行人は前ほどいっしょにはいないようになりました。地元の好きな満希は卒業したら村を離れずに働くこと決め、成績優秀な行人は栃木の大学の医学部に進むことを決めます。そうして迎えた卒業式の前日、行人は自分が村へ来たのは千葉の小学校で不登校になったためだったことと、医学部に進むのは中三のときに満希が負ったような怪我をうまく縫える医者になりたいからだということを打ち明けます。
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