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マーケティングアジェンダ東京 Repro&青山商事のOMO戦略推進から学ぶ『社内外一体型マーケティング推進』 #MA東京21

どうも、フクパンマンです。
マーケティングアジェンダ東京2021でのプレゼンで、Repro 齋藤氏と青山商事 関氏のセッションが興味深かったのでキーノート以外になりますがまとめます。

このセッションでのキーワードは、「ツールやデータがあったとしても、DX推進には人が大事」「関連する部門を置いてかずに寄り添いながら巻き込む」ということ。

(この後に公開するキーノート#3のレポートにもつながる内容ですのでぜひご覧ください。)

青山商事さんは「共創コミュニティ シン・シゴト服ラボ」を実施していたり、さまざまな施策を実施しており他のセッションで登壇されていましたが、【人・組織・ツール・ベンダーのバランス】が最適化され始めていて、一種の理想系としてマーケティングアジェンダに登壇されているのかなとも思います。

登壇時の資料公開も特別に共有・掲載許可もしていただいておりますので、ぜひご覧ください。それではどうぞ。

青山で課題の店舗とECの「併用顧客開拓」

まずは、青山商事さんの現状について簡単に整理します。
青山商事 関氏は青山商事の中でも「THE SUIT COMPANY」のご担当で、 デジタライズはプロモーションだけでなく、2年前から店舗の在庫の最適化など推進しています。

その中でも、 オンラインとリアル店舗の併用顧客の方が売上・接点の回数が倍以上に増加することがわかり、2021年下期は併用顧客をいかに作るかに焦点を当てています。そこで中心になっているのが「DIGI-lab試着室」。

アプリ・WEBとツール(Repro)を中心としたOMO戦略の中で、コロナの影響もあり、まだ店舗利用とEC利用の併用が進まない点が課題とされています。(アプリの利用者、すさまじい人数ですね。)

OMO戦略を推進するDIGI-lab試着室。オンラインのいいところと店舗のいいところどり

OMO推進の柱・DIGI-lab試着室は、オンラインと実店舗が融合した施設です。

①店舗でコーディネート
②サイネージ・ipadで購入
③自宅で受け取り

と、店舗の在庫も人員も最小限でもいいように設計されており、青山で展開している各種ブランド横断のラインナップ展示や、店舗敷地や店員コスト削減を可能としています。

ラインナップが増えて色々選べるのと、持ち帰るのが面倒なスーツを持たなくていいので、ユーザーメリットもとても多いです。
全員が得で、素晴らしい仕組みですよね。併用で売上があがるのもよくわかります。

OMO推進のハードルを「寄り添い」「粘り強く伝え続けた」ことで解決した

ここから先が最大のポイント。施策としては言わずもがな素晴らしいのですが、結局現場がついてこれないと推進が全く進みません。

現場担当がデジタルの知識がなく、急にデジタル化、OMOというと拒絶反応が出るのが普通。

そういう難しい環境の中で、関氏は二つのポイントで現場に寄り添い推進していきました。

一つ目は「言葉の定義」。
デジタル・マーケティング推進において1番の弊害と言ってもいいのが言葉の壁。実際に青山では、すでにO2O・オムニチャネルという言葉を社内でも使っている時があり、店舗や部署や人によって定義が変わっていました。そのため、まずは言葉の定義を行い、これからやろうとしていることの内容を誰もに違いなく伝えることを徹底したと言います。

これは、元ネスレ日本の高岡氏が「マーケティング」という言葉の定義を丁寧に行なったとの同じで、素晴らしいプロセスの踏み方だなと感心しました。

二つ目は、デジタルツールの活用。
これも、馴染みのない方の場合はハードルが高く感じてしまうところでしょう。人によってリテラシーの差は必ずあるので、そこも丁寧にやり方を教えていきました。

「この二つは大事ながらもオーソドックスだ」と思われた方もいらっしゃると思いますが、この先に秘訣があります。

「この二つを、伝え続ける、診続けることが大事。粘り強く寄り添い、やり続ける。かつ、数値をもって現場に実感を伴わせるということ。」

店舗スタッフに、レクチャーとヒヤリングをわかるようになるまで丁寧に繰り返しつつ、実際にやってもらったことを「診る」、すなわち放置せずに健康診断を定期的に繰り返すことをしたと言います。

ここまでやり切るのはリソースも精神的な負荷も相当にあると思いますが、おそらく推進がうまくいってない企業はここまで店舗スタッフに寄り添い、手間暇かけることができていないのだと思います。

プロと現場の理想的な教育ループ

また、店舗とECの顧客体験を最適化するツール・Reproのコンサルが単なるツールの使い方だけでなく、接客や改善のノウハウとアイデアを青山商事社内のマーケティング担当に提供。それを担当が実現性を確かめながら、施策推進を実施していきました。
このフローを繰り返していくうちに担当にも自然と知識がつき、自身でアイデアが浮かぶように。

Reproのコンバージョン最適化サービス。プロがサポート

まさに理想的な、素晴らしいループですよね。Reproさんの宣伝みたいになっちゃいますが、ツールにプロがついてくれるだけでなく、こういった社内教育にもある程度コミットしてくれるのは本当にいいですよね。社内だけでノウハウを蓄積することは難しいですし、一方ですべて外注してしまうと社内にノウハウが蓄積されません。このいわば「セミインハウス」というやり方は理想的だと思いますが、ベンダーの協力なしにはできません。

マーケティングが市民権を得てきた

今回のマーケティングアジェンダ東京は、マーケティング部以外の部署の新しい方がたくさんきていた印象があります。実際、マーケティングアジェンダに初めて来たという方が68%、デジタルの知識があまりなく会社でもDX推進が課題であるという方も何人もいらっしゃいました。

本来、マーケティングは市場や顧客の声を集めて活かすことをたくさんやっているので、様々な場所で活用しなければなりません。プロモーションだけでなく、

・カスタマーサービス
・商品企画開発
・CRM
・店舗スタッフ
・PR
・人事
・IT/制作

など全ての部門ですべからく活用されて然るべきです。NTTマーケティングアクトの丸野さんのセッションでも重要性が語られていて、痛く共感しました。

まさに青山商事さんの事例はこれを実践し始めている素晴らしい事例だなと感心しました。結局、店舗スタッフがOMO推進には必要不可欠であり、デジタル✖️リアルによって新たに得られるセレンデュピティや顧客体験がブランドロイヤリティ向上に寄与するのです。

マーケティングアジェンダの参加者を見ても、ようやくこう言った動きが日本でも活発になってきて素晴らしいなぁと思う反面、事前知識が必要な難しいセッションが多かったので私の記事でできるだけ噛み砕いて理解してもらえると嬉しいなあと思います。

冒頭述べましたが、キーノート#3のドイツ銀行CMO\CXOのティム氏のセッションまとめにて、この内容も交えつつ深掘りします。

それでは、んちゃ。


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