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7分でわかる再まとめ→【1時間で分かる】P&G流マーケティングの教科書
どうも、ふくだです。
P&Gのブランドマネージャーをやられていた石井氏が「P&Gで非言語的に受け継がれているマーケティングの思考法」をまとめたnoteが話題になっています。SNS界隈、はてブではポジネガ含め話題になっていますがそれもP&Gのすごさが垣間見えるところです。(確かに少しボリュームがあるので…)
私自身、P&Gのマーケターがいう事すべて是なわけではないですが、やはり学ぶことはとても多いです。今回は、この記事を一応マーケティングを頑張ってきたふくだが超訳し約3,000千字、1項目1分、7項目分の7分で読めるようにしてみましたのでご参考ください。
もちろん、詳しいことは本編読んでいただければと思いますが、こちらのエントリー見た後であればさらに理解が進むかと。僭越ながら私のコメントもところどころ入れさせていただきました。
一言で言えば、再現性を作るのがうまいな、と。
それではどうぞ。
①優れたブランドは、もれなく顧客の"Job (片付けるべき仕事)"を解決している。
(全編にわたりこの内容が書いてありましたので1番厚く書きます。)
そもそも何を(WHAT)作るのか、誰に(WHO)売るのか、戦略は何なのか、といったことより『上位の概念』を作ることに大きな価値がある。顧客は優れたブランドを雇うことで、自身の"Job"を解決している、ということを徹底的に認識しそれに対しアプローチすることが最重要。
※Jobとは、簡単に言えば日々やらなければならない仕事、タスク。顧客の生活における必須のこと。
Jobの理解において大事なことはWHO(フー)を理解することではなく、片付けなくてはならないJobをする際の"不(フ)”を理解する。不は不安、不満、不便。→日々のJobにおける不を取り除くことこそがマーケティングそのもの。
"顧客はこうであるはずだ"といった思い込みや、"顧客にこうであって欲しい"という願望で進めてしまいがちだが、そこが一番の落とし穴。
Job(不)の見つけ方において、2つの認識をもっておく。一つ目は、消費者はロジカルに意思決定を行っているわけではない、二つ目は、およそ2020年現在において、消費者が自力で思いつけそうな顕在化しているJobは、ほとんどこの世の中に残されていない。
そのうえで、実際に取った行動に関して質問をし、Jobの仮説を立てることが重要。定性調査(Qualitative Research、1on1インタビュー調査など)を重ねることで顧客の真のJobの仮説を立てること。また、データは発見したJobの大きさの検証につかう(Jobの総量=Jobを抱えている人の人数×Jobの深刻度)。
(ふくだメモ)『Job=不』を徹底的に見つけ、それに対し解決策を生み出し、コミュニケーションし、売り上げを高めるということがまとめられています。この項目が全てと言っても過言ではないです。
②Jobの発見から解決に至るプロセスそのものがマーケティング活動
(具体的なマーケティングの手法に入る前に、組織におけるマーケティング活用についての話がありました。)
戦略とは、目的達成(Jobの解決による売り上げ増強)の為にリソースを何に使うのか、という選択。これを組織に落とし込むときは、SMACフレームワークを使うとよい。
【目標達成を効率化するSMAC】
1.Specific (具体的な)
2.Measurable (測定可能な)
3.Achievable (達成可能な)
4.Consistent (より上位の目的と一貫している)
ここで大事なのは、達成可能な範囲内で限界までストレッチすること。そのストレッチなターゲットを、戦略の秀逸さと熱意で達成可能であると心からみんなに思わせるリーダーシップが必要。それを再解釈し目的に落とし込む。
(ふくだコメント)目標のストレッチと熱意によって目標への意思統一をさせる。これ重要ですね。以下、手法に行きます。
③戦略の基本形を理解
②記載のとおり、リソースを無駄に使わないために、変動させやすい・狙うべきKPIをピンポイントに絞る。
【売り上げ=人口*認知率*購入率*購入個数*購入頻度*購入単価】
太文字はブランドが努力することによって意図的にコントロール出来る要素。ここにリソースを割く。認知率・購入率を高めることがマーケターの至上命題。
※認知率の増加に対して、売り上げは理論上線形に伸びていく。認知率に大幅な伸びしろがある場合には、そこを埋めることを短期的な戦略にしていい。まだまだマイナーなブランドや、発売直後のブランドにおいて主眼となる戦略要素。その際、認知の質に関しても考える必要がある。
【三つの認知率】
1.Top of mind認知率:消費者が真っ先に思い浮かべるブランド認知
2.Unaided認知率:消費者がヒントなしで覚えているブランド認知
3.Aided認知率:こちらからブランド名を言うと思い出せるブランド認知
実際に売り上げとの相関が最も高いのはTop of mind認知率。3だけでは購入には結び付きにくい。
(ふくだコメント)リソースの配分の上で、動かせるKPIを絞るという発想は必須ですね。あと、認知率とよく言いますが、それが上記のTop of mindの話なのか、④の競合に対するブランド選考率なのか混ざっているケースが多いなと思いました。
④購入率を支配する因果律は以下の4つ
購入率を因数分解してみると、以下の4つになる。
【購入率を因果がある4つの要素】
1.ブランド選考率を高める
2.購入不可能・機会損失を防ぐ
3.価格競争
4.カテゴリーに興味をもたせる
特に重要なのが1。競合に対する消費者の間のブランド選好を高めることが購入率の向上で一番コントロールしやすい。ブランド選好には限界がなく、ブランド選好が低い場合には、短期での売り上げを作る為に価格を下げるという戦略に走るしかなくなる。3,4は適切ではない。
ブランド選好を高めるに、Job発見方法と、解決方法に至る思考法を実践する。それにWWHフレームを活用しよう。
WHO(誰に)-WHAT(何を)-HOW(どのように)
に当てはめればいい。(WHOは前述のとおり)WHATとHOWは後述。
⑤Jobの解決案の提案、ブランドの売り物=WHATを考える
WHATはPoint Of Difference(自社の売りポイント、以下POD)を徹底的に磨く。
PODは顧客が求めており、かつ競合に対して自社だけが持つ優位な点。自社の製品をわざわざ選んでまでJobの解決を図ろうとする直接的な理由となるから。さらに3つに整理。
【PODを生み出す3つの整理】
1.カテゴリーの典型的便益をとことん極めて他社の追随を不可能にして独自性を出す
2.既存の製品特徴・テクノロジーを再解釈して独自性を加える
3.新たな製品便益と組み合わせて独自性を作り出す
1は商品開発。2は1+1=3にする発想。3も大き目な先行投資。どれもコツと経験と勘と勢いが必要だが、優れたPODの創出のためには必要である。
(ふくだコメント)PODを伸ばす発想として3つのフレームがあることは整理になります。少なくとも2は必ず毎回考慮すべきと感じました。
⑥ここでようやくコミュニケーション戦略。
コミュニケーションは、ブランドのPODをより引き立て、顧客に知覚してもらう為の手段である。どのような形で消費者の抱えるJobをPODが解決するか(結果として売れるか)、を実際に消費者に伝える。優れたコミュニケーションには以下の三つが必要。
【コミュニケーションのポイント】
1.正しくブランドが想起される
2.独自性のおかげで印象に残る
3.PODが伝わる
印象に残らないものは、全く頭に残らない。コミュニケーションを見た消費者がPODを理解し、Jobの解決を想像できなければ、ただの面白い広告で終わってしまい、購入には至らない。
あくまでクリエイターの皆様は、もてるクリエイティビティの全てを使って、事業者側が左脳で理解しているJobとPODを、消費者が理解して購入したくなる形に翻訳してくれる翻訳家。
【依頼するときに必要な情報】
・目的
・WHO情報(Job、デモグラ、ペルソナ)
・コミュニケーションで起こしたい消費者の態度変容
・コンセプト/訴求内容
・製品情報(POD、テクノロジー、デモ)
・変更不可能なポイント(ロゴ、パッケージ、起用するタレント等)
・予算
・スケジュール
(ふくだコメント)このオリエンテーションの時のブリーフは非常に参考になりますし、これを伝えるうえでPOD/Jobまで自分たちで設計する必要があるので無責任になることが防げます。
⑦実行(HOW)はスタマージャーニーマップの活用
そして実行。実行戦略は、5Aモデルにあわせてジャーニーにおいてどこが課題かを考える。
【5Aモデル】
Aware(認知)・・・ブランドを知っている
Appeal(訴求)・・・ブランドを好きだ
Ask(調査)・・・比較・検討した結果良いと思う
Act(行動・購入)・・・使う・購入する
Advocate(推奨)・・・他者に推奨する
ペイド、オウンド、アーンド、パートナーマーケティングでこれらを総合的に使って解決する。ここからはよく色々な記事で語られていることなのでわざわざ語る必要はないでしょう。
まとめ
僕自身事業会社でマーケティングをしている中で、企画ありき、商品開発ありきになってしまっていて、それが本当に顧客のJobを解決できているのか疑問になることがあります。
また、商品や企画で解決しようとしていたJobがプロモーションの段階でメッセージになっていなかったり、全社が一枚岩となって語れていないこともしばしばあることです。
今回の石井さんのnoteをみて私自身非常に整理になりましたし、改めてしっかりマーケティングしていこうと感じました。
それでは、んちゃ。