事業主は、やれない理由探しをやめよう。愛を語ろう。
どうも、fkdことふくだです。
以前、Marketing Nativeさんにて事業主とベンダー・代理店さんの関係構築について寄稿した。この内容、個人的にもっと事業主の方に見てほしいので、noteでも少し気持ちも加えたうえで書こうと思う。ちなみに記事はこんな感じ。
【前編】事業主は、自社とベンダー・代理店を愛し、ユーザーに愛を語ろう
【後半】ベンダーや代理店は、どこまで事業主のサービスを愛せるのだろう
この連載、ありがたいことに評判良かったのだが「いい記事だね」と言ってくれるのは大抵代理店かベンダーの方。事業主の方にこそぜひ共感してもらってムーブメントを作りたかったのだけど、心に届いていないのだろう。
なぜこういう記事が心に響かないのだろうか。
それは、事業主はやれない理由探しがうまいからだ。やらない、じゃなくてやれない理由。
改めて事業主が抱える『愛に関する課題』を、私的なnoteだからこそできるだけ率直に書きたい。ぜひ事業主の方に読んでいただき、議論してほしい。
事業主は自分ごと化して聞くのが苦手。やれない理由探しが得意。
自分はできるけど、周りが納得してくれないから。会社がレガシーで許してくれないから。忙しいから。よくわかんないから。
事業主は、いつだってやれない理由を探している。自分ごと化してキャッチアップしてしまうと、やれない理由を探さないといけなくなって、それが面倒だから、心に届けるのをわりと意図的にやめてしまうことが多いのだ。
自社への愛、ベンダーや代理店の愛、ついでに顧客への愛にわけて、やれない理由を話していこう。
自社への愛の育成は後回しにしちゃ、だめ
自社のサービスや商品への愛はある?
自信を持って良いと言える?
実際、プロパー社員より中途の僕の方が知っているサービスが多かったり、プロパーが当たり前に思っているサービスがとてもよかったりする。自分のことはよくわかんなくなるものだから仕方ないのかもしれないけど。
競合調査をする前に自社調査は十分なのだろうか。絶対に一つは他者に負けないものがあるはずだ。代理店やベンダーにクリエイティブの文句を言うのは、この作業を徹底的にしてからにしよう。
「自社の愛の育成」がやれない理由は、やり方がわからないのと、重要度が低く見られがちだからだ。不思議とかならず後回しにされる。
けど、これがないと顧客にもベンダーにも代理店にも何を伝えるべきなのかわからないはず。もっとやろうぜ。
ベンダー・代理店へは惜しみなく
ベンダー・代理店には情報をリアルタイムかつ全量共有しようと記事にも書いているが、これがびっくりするくらいされない。
NDAを結んでいるにも関わらず共有する範囲をかなり狭めるのは、なんの意味があるのだろうか。NDAの意味がない。
これをやれない理由は「もし情報が漏れたら大変なことになる」というリスク排除が前提になってしまっているから。大変なことにならないようにするための契約なのでは?
結んだ後は惜しみなく情報をひけらかし、愛をプレゼンしよう。無い情報から精度の高い提案は生まれないのだから。
顧客には覚悟を決めて正直に
記事は事業主とベンダー・代理店の話だが、顧客への愛にもやれない理由をまとめる。
クリエイティブ、コンテンツは顧客視点の施策やメッセージになっているか。これはコンサルティングとか最適化する上で毎回言われることだが、最終的にいうべきことがぼかされてなんだかよくわからなくなっていることが大半だ。
これをやれない理由は、ギャプライズさんのLPOセミナーでの金言がここの問題を言い当てている。
『いいアイデアが出ていないのではなく「万が一のリスクを気にしすぎてしまう」。社内でネガティブな意見が多いものほど、ユーザー目線のテスト内容になっている可能性が高い』
やれない理由は事業主でリスクを受け入れる覚悟がないから。リスクヘッジしているうちに顧客が必要なことを言えなくなる。けど、言ってしまうのがリスクだと感じている部分が一番聞きたいことだ。
顧客を愛してるなら、覚悟を決めて話そう。問い合わせが増えそうだから書くのをやめよう、は問い合わせを減らすポイントになる。考え方自体を変える必要があるのだ。
ファンベースマーケティングも大事だけど、正直さのほうがエンゲージメントは高まるはずとも思っている。
実際はできないのもわかっている
・自分の業務でいっぱいで余裕がない。
・コールセンター部門やコンプライアンス部門から表現を直される。
・いざという時に対応できるリソースがない。
・こわい。
・上に責任を取ってもらえない。
繰り返しになるが僕も事業主だからよくわかっている。ジレンマだ。だからこそ、事業主は1人ではなくチームみんなで認識しよう。上司は覚悟を決めて尻拭いし、担当は気合を入れて愛を語ろう。
それでは、んちゃ。