マーケティングアジェンダ キーノート2 「スポーツ」と「人間理解」。テクノロジーの歴史から人の求めるモノはどう変化を遂げたのか?メモ #MA21
どうも、フクパンマンです。
マーケティングアジェンダday2で行われた、メルカリ会長、鹿島アントラーズFCの小泉氏と、オルビス 小林氏のキーノートのメモになります。
このお二人はプライベートでも仲が良いとのことですが、オープンな場での対談機会はレアかと思います。大変面白い内容になりましたので、ぜひご覧ください。
前回紹介した、足立さん、高岡さんのセッションの内容と非常にリンクするところが多く、先に見ていただくと理解が深まります。
デジタルコミュニケーションの歴史から潮流を見る
ガラケー登場から個人の情報発信が始まり、2010年から各機能がアプリベースに変化。
<ポイント>
・カメラの出現がキーになった。情報が軽い方に流れていっている
・表現、承認欲求の高まり
・投げ銭などマネタイズが進化(考え方も機能も)
・自分が納得できるか。商品、サービスの文脈が大事に
・常時接続(繋がり)がキー。ネットワークの中に生きる
●テクノロジーの進化とは?
→Power to the people、個が「エンパワー」される
→その人がその人らしく表現できる、存在できる(多面性)
エンパワーは、自分に合った生き方をする,つまりその人らしく生きるということ。テクノロジーによって、自己表現がしやすくなる社会になる。
●コロナで未来が早く来た
→企業が一気にDXに寄せていかざるを得なくなり、強制的に進んだ
●Next GENERATIONとしてはどう変化してくのか?
・Facebookなどメタバース(バーチャル空間)に注力
・人間の多面性を表現する場
・リアルな生活にも大きな変化が起こっている
結果、デジタルなものへの価値がどんどん増大している。
デジタルでもリアルでも、対立構造ではなく続いている
「デジタルの場の自分と、リアルの場の自分が違うという」のは一昔前の考え。デジタルの場での自分の表現、リアルの中の自分の表現が両方同じくらい大事になっている。
コスメはコロナで減益した。しかし、今だからこそ、これからは購入回数ではなく、お客様自らがアクションしていく回数を増やしていくことが大事。
ブランドが触れるフリクエンシーを増やせば、結果的にLTVが増える。つまり、ブランド体験をバーチャルで増やせば、リアルでのマネタイズにも繋がる。
むしろ、収益性が高まる機会すらある。
この考え方のシフトは、個人的にももっとしっかり意識しないといけないなと思いました。
なぜスポーツビジネスに参入したのか?
1.明るい未来の裏側にある不都合さに向き合える
2.ヒューマンセントリックな街づくり
エンターテイメントは、心の部分に向き合える。テクノロジーを使えば、エンターテイメントをリッチにし、余暇時間をハッピーなものにできる。逆に言えば、エンタメを使って、人々の生活を豊かにする必要がある。
そして、スポーツビジネスは、自分でプロになる才能がなくても応援という形で参加できる。
スポーツビジネスを通じて、
・新たなプラットフォームの創造
・循環型社会の実現に向けた社会実験
を目指している。
今までは人々が街に合わせなければいけなかったが、一人一人の行動を元にした街づくりに挑戦したい。そのためには、抜本的に変えるスマートシティではなく一つ一つ課題を解決していくことが必要。
実際に鹿島アントラーズでやっていること
試合は1週間に1回行われ、その度に2,3万人がくる。そこを実験場にしている。下記二点を実施している。
・多くのステークホルダーのハブ
・街の課題を外部の力で解決
具体的に言うと、
1.スタジアム×課題解決、ラボ化、SDGsスタジアム構想
2.教育、交通、物流、医療、農業などへの関与
の二点。
パートナー企業の技術を使ったラボで企業課題を解決したい。
例えば、docomoは5Gの実験、NECは生体認証・決済の実験。
SDGsスタジアムとしてはカネカさんに協力いただき、植物由来の素材にカトラリーも椅子などの設備も全部変える予定。
スポーツビジネスの課題
スポーツは応援チームのリプレイスが起きにくい。
しかし、Jリーグの関心層は5%程度。そこで、いかに95%の無関心をとるかが大事になってくる。
しかし、J1リーグから降格すると急激に収益が落ちるので投資しにくい。大リーグだと降格がないのでリスクがなくリターンが出やすい。サッカーも考えないといけない。Bリーグは2025年に大リーグ方式に変わる。
ビジネスとスポーツが明確に絡み始めてきた。だからこそ可能性がある。
まとめ
最後に、ポイントをまとめます。
・情報が軽い方に流れている
・デジタルによって個がよりエンパワーされる
・イニシアチブが自分にある
・テクノロジーが生活を豊かにする
・心にいかに届けられるか。
・デジタル社会は待ったなしで来る
デジタルとリアルの対立構造を自然と持ってしまっていることはもうやめないといけません。そして、スポーツビジネスを単なる儲けだけで考えない、社会、人々の課題解決のためと言う「マーケティング」の本質を具体的な例で伝えていただいた内容だと思います。
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んちゃ。