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消費者インタビューで感想戦!本当の「インサイト」はどこにあるのか?伊東氏、大松氏による”お客様訪問インタビュー実践講義”から学ぶ!#MA21

どうも、フクパンマンです。

今回のマーケティングアジェンダのラウンドテーブル ディスカッションは、吉野家伊東氏、デコム大松氏による、実際のインタビューを見てインサイトを見つけ、売れるコンセプトを見つける実体験をするという内容でした。

「このセッションが印象に残った」という声も多数聞かれ、ラップアップでも足立氏、大松氏から改めて生の声から得られる知見が大切という意見もあったことから、非常に有益なセッションであったと感じます。

既に経験がある方も、重要なTipsが散りばめられていたので是非ご覧ください。

インタビューお題の整理

こちらのディスカッションは、ファブリーズの使い方を実際のお宅訪問インタビューで聞いた動画、10分×2名分を見てインサイトを掘り当て、プロモーション案を立てると言う内容です。

<ファブリーズの前提>
・布の匂いをとるということは最近のことで従来の人間には必要なかった
・匂いは布製品から出てくる匂い分子
・香りは5分くらいで慣れる(毒がなかったら無反応になる)
・既に大半の家にはファブリーズはある。眠っているファブリーズの消費を促し続ける必要がある

<課題解決のフレーム>
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ファブリーズのマーケティングでは、以下の切り口で消費量が増えると整理。
・使う世帯数
・使う家族のメンバー
・使う布製品
・使う部屋
・プッシュ数

どれかで習慣的に使い続ける理由を作り、それに即したプロモーションを考えると良いというヒントです。短絡的に「売り上げを増やす」=「サービスを消費・利用してもらう」と、とりあえず使ってもらう狭い発想になってしまいがちですが、この考えだけでも非常に勉強になりました。

ちなみに、プロモーションには以下の条件もつけられていました。
・製品は変えられない
・ファブリーズには匂いつき、消臭などのさまざまなラインナップはある

これら事前情報をもとに、お宅訪問インタビューをみんなで視聴し、その後テーブルごとのディスカッション、発表へと移りました。

<インタビュー内容>
インタビュー内容は、普段過ごしている部屋で1日の生活の中でファブリーズをどのタイミングで使っているかを聞いたシンプルな内容です。内容が簡単にまとめられた資料が配られましたので、公開しておきます。(この資料のまとめ方も面白いですよね。香りが出てくるシーンが強調されている点とか。)

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伊東氏・大松氏による講義:インサイト発見に必要な情報の4要素

伊東氏・大松氏から、インタビューでのインサイト発見についての講義がありました。まず、以下の4要素を網羅することが大事と述べます。

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●インタビューは話を聞くのではなく、「観察」する
インタビューで出てくるのはエモーション(感情)のところが中心です。そこに至るまで

・シーン(場面)
・ドライバー(源泉要因)
・バックグラウンド(背景要因)

が存在します。そして、それらはインタビュー中の家の中の様子、家族構成・家族との関係、趣味、仕事、生活の過ごし方でしか見えてきません。

インタビューは多少自分を良く見せようと取り繕うものですし、言葉では表現しきれないところが多いです。だからこそ聞くのではなく「観察する」ことが必要であると伊東氏、大松氏は繰り返し述べました。

●誰のためなのか?を探る
家族に良く思ってもらうため?自分だけのため?友人のため?ペットのため?など、「その人が誰のためにその行為をしているのか」も非常に大事な視点です。プロモーションを考えるにあたり、メッセージのベクトルが大きく変わります。この視点も抜けがちですよね。

●何のためなのか?喜び、問題を感じる原因は一番どこにあるのか?を探る
人生において、どのシーン、時間を一番大事にしている?寝る時?家から帰ってきた時?仕事の時?そのシーンを見極めると、途端にプロモーションの焦点が当てられるようになります。例えば、夜寝る時が一番大事なのであれば、寝室・ベッド用の商品・プロモになり、落ち着きや安らぎがテーマになるわけです。

これらの観察、探りから「キーインサイト」、「バリュープロポジションを探し当て、プロモーションに落とし込む

実際に、大松氏が落とし込んだアウトプットがこちらです。(写真が荒くすいません)

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ご覧になっていただくとすぐわかると思いますが、画面から見える背景情報の観察、そこから特徴的な部分を抽出、読み取れるエモーションとその裏に存在するバックグラウンドとまとまっています。

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そこから、一番ネックになっているキーインサイトを抽出し、バリュープロポジション(顧客に提供する価値)に落とし込まれています。

答えは一つではなく、あくまで一例です。なので、インタビューの受け取り方によって様々な回答が得られます。実際に発表されたチームごとに全く異なる見解が得られていましたが、その見解の精度は当然異なるわけで、ここに経験とノウハウが必要なのだなと改めて実感する良セッションでした。

仮説探索にもっと時間を割くべき

ラップアップの内容も合わせてご紹介しますが、

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マーケティング調査においての目的は
①仮説検証
②仮説探索
があるが、大抵が①に時間が向けられている。②への時間も増やすと良い

と大松氏は話します。そして、

さらに分けると、
・asking→聞いたことがわかる、それ以外は不明
・listening→新しい発見ができるが、整ってないので分析困難

と非常にわかりやすい整理でご説明されてました。最後に、

マーケターは表面で見える善の欲求(天使)ばかりを見がちだが、裏に隠された負の欲求(悪魔)にも目を向けられるとより深まる。

と続けます。インタビューはまさに話していることが本当なのか疑うことが重要です。(ラップアップでは、グループインタビューは他人がいることでより見繕うことが多くなり、実際に使える意見が少ないと不評でした。)

一人一人とじっくり話して得られた意見、オンラインでのアンケートのフリーアンサーなどお客様がより生々しく回答できる状態で得られた言葉、情報でないとインサイトは掘り当てられません。

非常に参考になる内容が多かったのではないでしょうか。

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それでは、んちゃ。

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