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ミドルからの学問のすゝめ
目次
・ミドル世代に学びが求められている
・ミドルからの学びは逆算型よりもステップアップ型
・雑学のすゝめ
ミドルからの学びは面白い
40代から50代のミドル世代には「学び直し」が必要である、という記事をよく目にするようになりました。個人にとっては「働く期間」が長期化していく中で、時代の変化に対応するためには、これまでの知識や経験の延長上ではない「リスキリング」が求められています。雇用主にとっては、人口減少の中で採用も難しくなることが予想され、今いる社員の変革や組織の活性化が必要ということが言われています。
人生100年時代といわれる中、ミドル・シニア世代に自身の働き方を見つめ直してもらう取り組みが活発になってきた。いわば職場の側から促す「キャリア自律」だ。終身雇用が当たり前でなくなる一方、企業には70歳までの雇用努力が求められるようになった背景がある。
中高年に促す「キャリア自律」
学び直し、独立へ伴走も
ミドル世代の需要は大きい。日本生産性本部(東京・千代田)の7月の調査によると、将来の転職を希望する回答と転職活動中という回答を合わせた比率は40代で約48%と、年代別で最も高かった。パーソル総合研究所が2021年1月に実施した調査では、50代の約66%が60歳を超えても働き続けたいと答えた。
キャリア形成を対話で促す
新興勢、ミドル世代を先導
ミドルからの学びは逆算型よりもステップアップ型
「学び直し」というと、いかにも「これまで学んでこなかったからやり直さないといけない」というニュアンスや「これまで学んできたことは通用しないから、違うことを学び直さないといけない」という、ややネガティブな印象を受ける人もいるのではないでしょうか。
そういった側面は確かにあるのだと思いますが、一方で、その切り口から学び始めようとすると「つまらない」「分からない、出来ない」「学んだところでニーズに追いつけない」といった負の感情が出てきた時に対応が難しくなるかもしれません。
成長のプロセスを楽しむ
ミドル世代になると、目標達成のために「逆算的にゴールを考えて、そこからマイルストーンを設定して納期を決めてやり切る」といった仕事の仕方が定着している人も多いのではないでしょうか。この発想だけの場合、上に書いたような負の感情が出やすくなると考えています。
ここは思い切ってゴールに囚われすぎず、成長を楽しむ、上達を楽しむという発想に切り替えてみてはいかがでしょうか。
せっかく新しい分野を学びます。
知らないことだらけです。
「なるほど、そういうことだったのか」
「あの時うまくいかなかった原因がわかった気がする!」
「この前まで何も分からなかったけれど、話について行けるようになった」
知らないことを知ることは純粋に楽しいことです。加えて、ミドル世代になると、これまでの豊富な経験がどこかで繋がってくるはずです。知らない分野であっても、どこかで既知の分野と接点がある物です。ITを学び始めた営業の方であれば、セールステックやSaaSとどう協業すればよいか(自分の価値をどこに置いたらよいか)が分かってくるかもしれません。AIを学び始めた管理部門の方であれば、業務の置き換えは勿論ですが業務の意味付けが変わるかもしれません。
ミドルが持つアドバンテージの一つは「繋がり」を作ることができること。
既知の分野と新しい分野を繋ぐことで、価値を高めたり、意味付けを変えることができるということは、何だか新商品を開発しているみたいでとても楽しいことではないでしょうか。
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雑学のすゝめ
人生100年時代とするならば、ミドルはちょうど折り返し地点です。
仕事に集中してきた方が多い現代のミドル世代にとって、後半戦の人生は「仕事以外の時間」の割合が増えていくと言われています。そんな「余暇時間」を充実させる一つのポイントが「雑学」ではないかと思っています。
例えば、お酒が好きな人であれば、お酒が何を原料とし、どう加工され、どうやって飲まれているのか。そんな川上から川下までを知ることができるとグッと世界が広がります。(ミドルになるとビジネスプロセスとかサプライチェーンとかすごく興味が出てきますよね)
私は釣りをしますが、釣りやキャンプをしている人は「環境問題」を学ぶとその趣味のスタイルや前後の振る舞いまで含めて変化する人が多いようです。道具選び、場所選び、後片付けなどに加えて、エコイベントに参加して自然に感謝する人が増えてきますね。釣りの世界でも「稚魚の放流」等に関わる人もいますし、キャンプであれば植樹などもそうですね。
自分なりの感性を磨く学びも楽しみの一つです。例えばカメラであれば、ちょっとした撮影のコツ、アングルのコツ、編集のコツなどを学ぶだけで表現の幅が広がったりします。仕事に直結する学びではないですが、生活がちょっと楽しくなる学び。
人生100年時代の後半戦。
自分が楽しいと思える、そんな感性を表現できる幅を増やしてみるのも楽しみに繋がるのではないかと思います。
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