11.17 5
今日私美y
あっ、確かに
ふぇ!??!?!!
結構切ったよね、かわいーー
ふぇ!?!!(2回目)分かった!!??
うん、結構イメチェンじゃない?
(声にならない声)
うん、かわいいじゃん
(中略)
レイヤーのところ、夏鈴ちゃんの写真見せたんだよー
あ、これ?おそろいだねー
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自分で言うのもなんだけど私は結構忙しい。
大学4年、文系のくせにまだ週3で授業があるし、
土曜は大体バイト、日曜は所属している吹奏楽団の練習がある。
9月頃までは就活もしていた。
なので私には時間もお金もなくて、スケジュール的にも金銭的にもミーグリフル投げなんて出来そうにない。
それでも大好きな人と話す時間は私にとって日頃のあれこれを全部チャラにするような、なくてはならない時間で、だから毎シングル自分が行ける分だけミーグリに参加させていただいている。
初めてミーグリに行ったのは大学受験が終わって初めて出たシングルのBAN。私の予定がギチギチなせいで、1日に2部以上参加出来ることはめったになくて、1部1枚だけみたいな日もざらにある。それでも2枚目シングルから一応ずっと、大好きな人との時間は確保するようにしている。
だけれど、やっぱり1日に何枚も券を持っていたり、全部の日程に参加出来たりするような人に比べたら、トータルの時間なんて米粒みたいなもので、毎回初めましての気持ちで、なるべく考えずに答えられる質問にするようにとか、なるべく端的に伝えたい言葉を伝えられるようにとか、そんなことを考えてお話してきた。
今日だって美容室行って可愛くしてきたから褒めてーとか冗談交じりに言おうとしていて、「えーいいじゃん」とか「似合うねー」とかきっとこの人なら言うんだろうなーとか思いながらカウントダウンを待っていたら、まさかの「あっ、確かに」である。「結構切ったよね、かわいー」である。
終わってから鳴り止まない鼓動の中で、「や、覚えてる演技の可能性もあるぞ」とか考えた、でも私の大好きな人は記憶に嘘をつくような人じゃなかった。
どんなときも真っ直ぐに私を見て、私の言葉に自分の言葉で返してくれる人だ。
大好きな人を大好きになってからの全部の私が報われた瞬間だった。
私のこと知ってるなら教えてよ、こないだよく使う支払い方法とか聞いちゃったじゃん。
私のこと知ってるなら教えてよ、こないだ「夏鈴ちゃんにとって音楽って何?」とかクサいこと聞いちゃったじゃん。
でもきっとそれも全部あなたにとっての私で、こんな私をあなたは知ってくれているんだよね。
今日という日にどんな名前をつければ、その価値に見合うのだろうかと考えてしまうくらいの、時間。
言葉で語り尽くせないぐらいのこんな日には、音楽を鳴らそう。