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妊娠3ヶ月 │ 休職
結婚式が終わり、体調は日によって違うけど仕事には支障なく過ごすことができていた妊娠3ヶ月終わり。
私は当時看護師として働いていた。
職場には業務上配慮をお願いする場面があったので、安定期前なので部署内だけのお話で、というお願いをして自分の部署のスタッフには妊娠を報告をしていた。
ある日、今思えば断るべきだったのに「入浴介助」を引き受けてしまった。
介助は1名だけのお願いだったし、その日はマンパワー不足で相手も私が妊婦とわかって頼んできている。引き受けなければ、という気持ちが先行して「わかりました」と言ってしまった。
「言ってしまった」
返事をしたあの時も少しだけ不安があった。
でも体調はよかったし、なにより職場に迷惑をかけたくないという気持ちが強かった。
入浴介助の途中で気分が悪くなり、なんとかこなしたものの、終わってからの疲労感は今までにないぐったり感だった。
仕事が終わり帰宅後、トイレに行くとおりものシートに出血していた。
入浴介助を引き受けたことを後悔した。
赤ちゃんを守る行動ができていなかった自分への後悔。
つわりがあったりはするものの、生命がここ(お腹)にいるという自覚が足りなかったという後悔。
遅すぎる後悔。
翌日受診し、2週間の休職の指示が出た。
診断書を出した時に突然上司から「異動したほうがいいと思う。」と言われてしまった。思ってもみなかった言葉に、出血させてしまった自分への自責の念に加えて、ショックを受けてしまった。
なぜなら私は異動したくなかった。
休職初日から、復帰が怖くなってしまった。
自宅安静中、考えないようにしていても上司に言われた言葉が頭を巡り、ストレスになってしまっていた。
部署異動という言葉は、私を支配していた。
これまで自分は妊婦をサポートする側のスタッフだった。無理しないように、とか、体調大丈夫かな、とか、直接これはできる?とか声をかけていたけど、無意識に肩身の狭い思いをさせたり我慢させたりしたことがあったかもしれないと反省した。
数年前、妊娠中のスタッフに、「こっちの役割のほうがきっと身体を使わなくていい」とよかれと思ってある役割を当てたことがある。そのスタッフは引き受けかけたが、横から助産師経験のあるスタッフに「その役割は逆にきついんだよ。」と教えてもらい、そんなこととは想像もしていなくて何度も謝った記憶がある。
「妊婦だからって甘えてる」「妊婦だからオムツ交換来ないよね」「妊婦さんはこのケアさせられないから明日はきついなー」「あー明日は⚪︎⚪︎さん(妊婦)いるの?帰れないわ」・・・実際にそんな声を聞いたことも多々ある。
妊婦って思っていたより働き辛いんだな、ということを妊娠して初めて知った。
でも辛さを知ったのでこれから出会う働く妊婦さんには優しくできると思うし寄り添うことができるはず・・・休職した時期は本当に辛かったけど今は前向きに捉えている。
そして何より赤ちゃんを守る行動をしようと母親の自覚が芽生えてきたのは恥ずかしながらこの時なので、ふりかえるのは辛いけど記しておこうと思う。