#975 「人は血管ともに老いる」
「人は血管ともに老いる」、この格言はその節々からの抽象的な真実を物語っています。血管の健康は全体的な体の健康であり、その寿命に直結しています。健康な血管は若さと活力を象徴し、逆に血管の老化は全体的な健康の減退を示します。これは循環器内科医の目線からも承認されている事実です。
血管を若く保つための重要な方法の一つは、体の中で生成されるサビ、つまり活性酸素やコゲ、つまり炎症の発生を抑制することです。これらの要素は細胞とそのDNAにダメージを与え、加速度的に細胞の老化を引き起こします。結果的に、組織と血管は弱く、硬く、効率が低下してしまいます。
農薬や添加物を避け、生鮮食品を多く含むバランスの取れた食事、毎日の適度な運動、スモーキングと過度なアルコール摂取の回避はこうした問題の予防に非常に効果的です。抗酸化物質を豊富に含む食品、たとえば野菜や果物、全粒穀物、魚、ナッツなどを食事に取り入れることで、体内の活性酸素を減らすことができます。また、適度な運動は血流を改善し、炎症と酸化ストレスを減らすのに役立ちます。
日本人の寿命を延ばすためには、この「血管の健康」の重要性がます認識されてきています。心血管疾患の最前線で働く我々循環器内科医の視点からも、血管を保護し、体内の「サビ」と「コゲ」を最小限に抑える生活習慣の維持が極めて重要であると言えます。