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縦と横がつながれば、今よりもっといい未来をつくれる気がする

日本作物学会のシンポジウムに登壇いたしました


2ヶ月前の9月のこと。日本作物学会「第258回講演会」シンポジウムに弊社ファイブスクエアの社長&農場長の神尾が登壇いたしました!(前回のnoteでも冒頭で少しお伝えしておりましたね)

正直なところ、こんなにアカデミックな場において、名だたる研究者の方に囲まれて飲食店経営者がお話しさせていただくというのはなかなかレアなケース。そしてとても光栄なことです。

この学会を通して感じたことを、改めてざっくばらんに神尾に聞いてみることにしました。

「短パンで行って大丈夫やったんかな……(笑)」


いきなりスミマセン。もっと真面目な感想はこの後に出てくるのですが、一番最初に感じたことはこれだったようです。

開始前の会場
当日の神尾の様子。かろうじて上はシャツでよかった…

まずこの講演会についてですが、最初にお伝えしたようになんと258回目(!)なんですね。それもそのはず、作物学会さんは2027年には100周年を迎えるという長い歴史を持っているんです。

神尾いわく「聞いてはいたけど、いざ行ってみると想像してたよりも超絶格式高い学会やった……(汗)」とのことで、短パンで参加したことを会場入りした後に気にしていました(笑)
こういうドタバタ感、ファイブスクエアっぽいです(笑)

本題はここからスタート。

こんなことをお話ししました!(ダイジェスト版)


登壇のきっかけは、弊社の小麦栽培に一緒に携わってくださっている山口大学・荒木教授にお声がけいただいたからでした。6次化を実際にうまく形にできている事例として、「farm to restaurantというコンセプトでファイブスクエアがどういう取り組みをしているのか発表してほしい」とご依頼をいただいたんです。

当日の神尾の発表はこんな感じ。ザッとかいつまんでみました。

①弊社の取り組みについて


・ファイブスクエアでは地方のおもしろい素材をベースにした商品が強みになっている。お客さんも生産者もみんながワクワクする“地産外消“で地方も都市も元気になれると考えている。

・小麦の事業例①岩国の自社農園で生産した小麦「ミナミノカオリ」を使用している。店舗がある神戸でお客さまが求めているパンに応えたいという現場の想いが発端。

・お米の事業例①[日本酒バル・米屋 イナズマ]では、自社栽培の山田錦を使ったオリジナルの日本酒を提供してきた。山田錦が育つ様子や毎年違う味わいをお客さまが楽しんでくれていた。

・お米の事業例②「雁木」という日本酒で有名な山口県の八百新酒造さんと一緒に、耕作放棄地となった棚田を蘇生させて山田錦の有機栽培にも取り組んでいる。(オリジナルの日本酒「MUSUHI」を製造)

②6次産業についての考察

・課題と利点について。(この記事では詳細を省きますね)

・“地産外消”の6次産業で活躍するアイテムづくりには、地方や生産者、生産環境の魅力が詰まった農産物が必要。酒米や小麦でもその観点に沿った「質」の向上が不可欠。

③神尾が日々感じている農業の問題点

・問題を問題と捉えるのか機会(チャンス)と捉えるのか?という視点。

・農業の大きな問題点の一つが、多くの農家は消費者の顔を見たことがないということ。それを可能にするのが6次産業の本来の役割。

・6次化の問題は、その目的が農家の所得向上や地域の課題解決になっていて、事業になっていないこと。作業から産業へ、そして事業へ農業を変える必要がある

・神尾の考える6次化のプロセスについて。

人が育ち、農業の生産性が上がり、地域にファンができる。それがファイブスクエアが考える“9次化”。

縦と横はもっと手を取り合う方がいい


300以上の研究発表が行われ、全国各地の農業や食品関係者、研究者や教授が集まった大きな学会。ファイブスクエアとしても神尾個人としても、とても有意義なものになりました。

「霧島酒造の方から『めっちゃおもしろかったです!』と声をかけていただいたんやけど、特に民間視点の人には刺さる内容だったのかも。なぜなら、特定の領域を掘り下げる研究者のみなさんが“縦”なら、自分は“横”に広げていく企業。視点がそれぞれで違うと感じた」と振り返ります。一方で、弊社のアプローチを興味深く受け止めていただき、他県で研究している小麦を紹介してくださった教授がいらっしゃったこともとても嬉しく思いました。

「アカデミックな世界では縦の濃度が本当に濃い。でも、研究されたものが民間にわたり、社会の付加価値を上げるような大きな取り組みになるまでのプロセスが弱いのはすごくもったいないなと感じた。民間企業ももっと学術的な分野に興味を持って、産学連携が強くなればいいなと思う」。本当にすばらしい研究の数々だったからこそ、神尾はそう感じたといいます。

大学や研究機関の研究者たちが深く積み上げた知識や技術(縦のつながり)を、企業や社会が持つ実践的な経験やニーズ(横のつながり)と結びつけることで、もっと新しい価値や有益なアイデアを生み出していけるのでは?

そんなふうに強く実感できたんです。

終了後、みなさんとご挨拶させていただきました

専門分野を「縦割り」で進める傾向の強い日本の組織文化では、やはり研究者と企業が横に連携する機会が少なくなりがちなのかもしれません。実際の製品やサービスに応用する「横のつながり」へ発展するまでに時間がかかることもあるでしょうし、研究者と企業が目指すゴールが異なることもあります。

だからこそ、専門的な知識と実際の活用や現場の視点がもっとガッチリと噛み合ったなら、今よりもいい未来へ躍進できるのかも。そんな嬉しい可能性を感じられた学会でした。


弊社が展開する飲食店のうち3店舗でもnoteを更新中!
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