この冬に聞きたい名曲
ヘンリー・パーセルのコンソートは、二重対位法、三重対位法、逆行形や音価の操作など高度に対位法的な技術が要所に用いられ、精緻な織物のようなテクスチャを作り出している。
Henry Purcell 6声のインノミネ
https://www.youtube.com/watch?v=58hBMspRbcE&t=2s
Henry Purcell 7声のインノミネ
この二曲は永遠に続く冬景色を思わせる長大さがあり、厳しさ、そしてその厳しさのなかにある自然の秩序を感じる。その秩序の中に、激しい情動を内包している。ロマン派のようにそれは露わではないが、隠されているがゆえにそれ以上の激しさを感じさせるものがある。
ヘンリー・パーセルの天才的な才能は、やはり左右的要素に起因するのだろう、巧みな対位法的処理以上に、旋律の美しさが引き立っている。特に7声のインノミネの後半の旋律の美しさは形容のしようがない。ヘンリー・パーセルはモーツァルトと同様若くして亡くなり(36歳といわれている)、師ブロウの哀歌などが有名である。