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西武の閉店前、夏休みをどう使うか?
2024.4.27
「成瀬は天下を撮りにいく」本屋さんがお薦めする書籍として、最近巷を賑わしている。主人公の「やりたいことをする」姿に周りの人間がどんどん惹きつけられていく。
「西部大津店」の閉店が8月いっぱいとなり、成瀬は閉店の日まで、夏休みの間、毎日西武大津店に通うことを決めた。実は、毎日テレビで閉店前の様子をテレビ中継している、これに映り込むことが目的だ。
初日、西武のユニフォームをきた成瀬は、ちゃっかり、テレビ中継に映り込む。友達も巻き込みながら、西部女子としてSNSで話題となる。
閉店前の西部に買い物に来ているお客さんに、テレビ局の人間が、インタビューをするシーンがある。
「生まれた時から、利用しています」
「なくなるなんて、残念すぎる」
「寂しくなる」
そんな言葉が、お客さんの中から、溢れてくる。
そもそも、時代に順応しきれなかった業種は衰退していく。
これは、致し方ないことかもしれない。
小売の輪という考え方がある。
栄枯盛衰とでも言おうか、栄えた小売業は、衰退期を迎え、取って代わる業態が台頭してくる。この、小売業の輪の循環が起こっている。
しかし、お客さんの、残念だとか、寂しくなるとか、よく利用していたとか、という言葉は、だったら、無くならないんじゃないか?という矛盾を内在している。
企業の業績も、ものの値上げがひと段落して、落ち着きつつある。
原価の高騰、運送費の高騰、物価の高騰、インフレ退治には、利上げしかない。
安い方がたくさん買える、インフレでものの値段が上がれば、少ない量しか買えない。給料が30年間上がらなくても、安いものが溢れている日本だからこそ、生活ができていた。
卵が先か、鶏が先か?
「成瀬は天下を取りにいく」からは、今の日本が抱える問題、いや、日本人の抱える問題が成瀬の無垢な行動、心地よい物語の中に隠されている気がする。