ノーレート雀荘は本当に流行っているのか?
最近のフリー雀荘では「東風、三麻、ノーレート」の三つが流行っているそうです。
東風と三麻は確かによく見ますよね。実際自分でもよく打ちます。三麻に関しては過去に記事も書きました。
でも、正直なところノーレートが流行っていると言われても全然ピンと来ないんですよね。確かにMリーグは流行っているけど…そんなにかぁ?
ノーレートは本当に流行っているのか。
客層はやルールはどうなっているのか。
そもそもノーレートって楽しいのか。
百聞は一見にしかず。
ということで、今回は都内のノーレートフリー雀荘を調査してみました。
フリー雀荘歴15年くらいのオジサン目線の記事です。
ノーレートでフリー雀荘デビューしたいという人はぜひ読んでね!
ノーレート雀荘分類学
まずは今回巡礼した雀荘を紹介。
新店から老舗まで幅広く回ってみました。ちょうど15店舗。各雀荘で2~3Gくらい打ちました。皆様ありがとうございました。
(※新橋の「ベルバード」や千葉の「麻雀・力(りき)」も行ってみたかったんですが、時間切れでした😅)
上記全てノーレート雀荘ですが、一口にノーレートと言っても全部の店が同じ文化・スタイルというわけではありません。
ここでは勝手に以下の四つに分類して特徴をまとめたいと思います。
1. 競技系ノーレート
プロ対局のルールを採用している雀荘です。「〇〇公式ルールを採用してます」とか書いてあります。結構思想のクセが強い系の人も多い気がしました。
このテの店では点棒整理、スコア記入など基本的に自分たちで全ての仕事を行います。お店にいるスタッフはメンバーさんじゃなくて運営の方と思ったほうがいいです。「おーい代走」とかナメた口聞いたら村八分なので気をつけましょう。(っていうか代走も基本無しです)
2. 健康系ノーレート
「飲まない・吸わない・賭けない」って書いてある雀荘です。競技系のノーレートでも健康麻雀教室を併設しているパターンもあります。店の雰囲気は”敬老の日”って感じですが、主婦や学生もチラホラいます。チョンボや細かいルール違反に寛容なので初めて牌を触る人でも安心だと思います。
3. ストリート系ノーレート
「Mリーグルール」を採用している雀荘です。一発・裏・赤ありの一番普通のルールです。客層も幅広い分、一番初心者が多かったかなと思いました。マーチャオのノーレート版と思えば一番しっくりきますかね。
場所によってはゲストを呼んでいることもあるので、お忍びオンレ勢もそこそこいたんじゃないかな。賭けないけど、飲める&吸えるって感じです。ノーレートとオンレートの文化が混じり合ってカオスな空間でした。
4. イベント系ノーレート
普段はセット雀荘やオンレ雀荘をやっていて、特定の日だけノーレートフリーを設けているパターンです。よくトイレに「〇〇オープン」や「△△リーグ」みたいなチラシが貼ってあります。著名人を呼んで当日飛び込みOKのオフ会型ノーレートフリーを開催している場合もありますね。プロや上級者が集まりやすいので、ネト麻でそこそこ自信ある方なんかは一度参加してみても面白いかもしれません。
大体こんな感じでしょう。子供も入れるカルチャー教室というジャンルもあるのですが、今回はスコープ外としました。
初心者向け「店選びのポイント」
フリー麻雀初心者が急に雀荘に行くのってやっぱり怖いですよね。
ひとまずノーレートから始めてみたいという方のために、店選びのポイントをまとめておきます。(あくまで個人的な主観に基づくものです。)
時間打ち切り制かどうか?
最重要ポイントです。
初心者の方は「時間打ち切り制ではないところ」がオススメです。
なぜかって?
基本的な牌効率や押し引き判断が弱い
↓
一回一回の打牌が遅くなる
↓
制限時間内に1ゲーム終わらなくなる
こうなると同卓者はゲーム代払うのがモッタイナイ!ということになりますね。(ちょっとキツいことを言いますが)せっかくゲーム代500円払っているのに南2で終わったら親番出来なかった人めっちゃ損じゃないですか。セブンイレブンの弁当が値段変わらず中身80%になったらみんな怒るのと同じです。初心者のアナタも「みんな待たせてしまって申し訳ないなぁ」って思って焦りたくないでしょう!
フリー麻雀においてテンポは非常に重要です。出来るだけサクサク打つ方がいいです。ノーレート雀荘なら体感およそ3~6秒くらいが平均だと思います。(本当に悩む時は遠慮せず悩んで大丈夫ですよ!)
Mリーグは見せ物なので時間をかけてドラマチックに仕立ててますが、あなたの麻雀はABEMAで放送されません!悩んでる表情も力を込めたツモもカメラで抜かれません。腕組み、ドリンク飲み長考、待ち時間スマホなど、絶対やめましょう。
ゲストを呼んでいるかどうか?
これも結構重要なポイントです。
Twitterなどを見てるとMリーガーと打ってみたいという人は結構いるんじゃないかと思います。Mリーガーや有名プロをゲストで呼んでいる店は初心者が多く集まります。多数は正義。初心者が多ければ店員さんも手厚くサポートしてくれるし、常連の人も初心者慣れしているので点数計算など手伝ってくれる(はず!)です。
「フリー初めてだけどあの人と同卓してみたい!」という方も思い切ってイベントなどに参加してみてもいいんじゃないかなと思います。基本的な役とルールがわかっていればOKです。時間内に1G終わらなくても、下手なチョンボしても、アリエナイ放銃しても多分誰も気にしません。
「雀力」よりも「コミュ力」!楽しければヨシです!
麻雀教室をやっているかどうか?
麻雀教室やっている店にハズレ無しです。
スタッフも慣れているし、お店のルール説明やマナー注意書きも丁寧です。牌に触るのが初めてという人は一回試しに参加してみるといいと思います。特に”所作”や”マナー”に関してはネットや本に書いてないので、カラダで覚えるしかありません。山を前に出す、点棒を手元に置く、裏ドラを全員が見えるようにめくる…などなど。デビューした時に身につけないと、今後の麻雀人生で誰も注意してくれませんからね。問題なさそうならそのままフリー打ちしてみましょう。
あとはここら辺の動画を適当に見ておけばお店の人が何とかしてくれるでしょう。
ノーレート雀荘七不思議
強打に寛容すぎる
一番オンレと違うなと感じたのが「強打」の扱いです。
これまでの麻雀人生で体験したことのないようなアトミック強打を何度も何度も観測しました(プロアマ問わず)。マナー重視の雀荘だと間違いなく「もう少し優しくお願いします」と注意されるレベルです。これで初めて雀荘に来たお客さんがマネしてしまうのは教育上非常にケシカラン!
その他、弧を描くような三日月ツモ、3枚目の字牌で腰、他家の視界を邪魔する先ヅモ、といったマナ悪行為も見かけましたが、その辺はオンレとあまり変わらない感じですね。強打だけが異常発生していました。
でも強打って厄介だよなぁ。どこからが”強”なのか判定難しいし、感情込めて強打するのも「ゲームを楽しむ」という観点から言えば悪いことじゃないしね。スマブラでも「オラァ!」って言って吹っ飛ばす方が楽しいじゃん。
ただ、フリー雀荘という公共の場ではダメなんじゃないかなと思います。
ちなみに自分もセットではめちゃくちゃ強打します。
バチコォーン、ツォッッッ! ハッッセッヨッッセッ…!
(※フリーでは絶対ダメです。セットでも牌が傷つくので本当はダメです。)
発声小さくなりがち
ノーレート(特に競技系)って基本的に雑談とかドリンク頼むとかがないので、卓上が結構静かになります。それにつられてポンチーなどの発声も小さくなっちゃうんですよね。自分でもそう感じました。
たまーにプロ対局でこの手のトラブル起こるけど、周りの環境音に合わせて声も小さくなってしまったんじゃないかな。静かな環境でも堂々と発声しないといけませんね。目標は60db。掃除機に負けない声量です。ポイッ!
牌落としなどのボタン操作は次の親
これはもう基本所作です。ノーレ店はほとんどこれです。勝手に牌を上げると「あいつ…やりやがった」みたいな顔されます。合理的な理由は全く分かりませんが、もう考えるのはやめて次の親以外はボタンを押さないように注意しましょう。恐らく誰がボタンを押すかで配牌が変わるんです。郷に入っては郷に従えです。
オンレでは早押し選手権のところがほとんどなんですけどね。。
LINEでポイント管理するところ多い
オンレでLINE登録するってあまりないと思うのですが、ノーレート雀荘ではLINEで会員登録するところが多めな気がしました。オンレは集客目的くらいしかないけど、ノーレートだと成績管理やポイント集計なども集約できますからね。
自分のLINE登録したくないって人はサブ垢用意しておきましょう。(どうでもいいけど、雀荘で名前書く時偽名使う人ってどれくらいいるのかな…)
土日意外とフリー営業していない
イベントや貸切営業などで土日やってないことが多いです。気軽にフリーで数時間打とうかな〜と思っても、トンボ帰りになってしまいます。(実際に今回中野のラブリースマイルさんに突撃した時もセガサミー魚谷さんが勉強会をしていて店内大盛況でした。流石)
今後土日に行ってみようと思っている人はTwitterをチェックしておくのがおすすめです。有名店なら大体アカウントがあって、イベントの周知をしています。
三麻ノーレート少ない
サンマのノーレート店ってあんまりないんですよね。関西の方に行けばあるんですけど、関東だと本当に少ない。今回は秋葉原ZOOと新橋OWLでノーレ三麻を打つことができました。
僕は当初「サンマは根本的にノーレ(というか初心者)に向いていないよな」と思っていました。多面待ちがよく出るし、牌効率や打点で悩むシーンが多いし、役の数え上げも大変だし…。というか結局サンマってオンレで祝儀をつけないと何か味気ないんですよね。やっぱり花牌抜きまくって高い手作って即ポッチしてトリプル6枚!からのサイコロチャーンス!とかやりたいじゃないですか。
今回行った雀荘でもやはり苦労しているようでしたが、これが意外と楽しめた!ZOOでは四華やオールスター、OWLではノーレートだけどチップという概念を導入していました。ほんとよく工夫してるよなぁ。
四麻のノーレート雀荘もゲームセンターのメダルゲームみたいにすれば面白くできそうなのに…。そもそもMリーグにチップという概念がない以上、無理かな。
四麻東風ノーレート全然ない
では、四麻東風はどうなんでしょうか?
これも都内には全然ないですが、個人的に実はアリなんじゃないかなと思っています。(※一応「てんぱね(秋葉原)」があります)
今回、幸運なことに某Mリーガーのイベントで4局麻雀を打つことが出来ました。結論から言うとテンポ良くて楽しめました。ノーレだと打点最重視で結構重厚な場になりがちなんですけど、東風ならクイタン1000点でもまぁよしとされます。ここら辺は個人的な好みの問題ですかね。
感覚的には30分打ち切りで1G300~400円くらいでもいいくらい。待ち席のお客さんもすぐに入れるし、打数が多いから成績管理表も充実します。ゲーセンやネット麻雀で東風育ちの方も多いので相性も悪くないです。ノーレこそ東風でいい。
今後もゲストたくさんワイワイ東風は流行りそうな気がします。
ノーレートは本当に流行っているか?
ノーレートの勢いはスッゲェ!
結論から言うと「大流行」だったと思います。
「こんな奴ら今までどこに…!」ってくらい麻雀界の広さを感じました。月曜の昼から4卓マルで立ってるんですよ。Mリーグのちからってすげー!ノーレ雀荘は今後もますます人気になっていくんじゃないかなと思います。
オンレ雀荘なんて8割くらい中年男性なのに、ノーレ雀荘は老若男女ちゅ多様性って感じ。人口ピラミッドで言ったらインド型ですよ。ノーレートでデビューした大部分の人は今後も一生ノーレで打ち続けるでしょう。そうなるとオンレはどうなる!?あぁこれはいけない!
オンレ雀荘は本当に生き残っていけるか?
我々はいつから「麻雀のメインストリームはオンレートである」と錯覚していたんだ。
ここ最近はMリーグ、雀魂、VTuberなどの影響が大きく、麻雀のことを一ミリもギャンブルと思ってない層がゴマンといます。観る専というスタイルすらあるくらいです。
もちろんオンレ勢も相当数いるはずですが、特にこれといった趣味もなく小銭が増えた減ったで一喜一憂している自分みたいな中年男性がほとんど。ノーレ勢の多様性には到底及びません。
Mリーグの影響でオンレゲストに入るプロも少なくなってさ、みんな競馬とかボートに金を落とすようになってさ、「え?まだオンレで麻雀してるんですか?対人ギャンブルとかもう流行んないっすよ」とか煽られるようになるんだろうな。
このまま行くと近いうちにオンレフリーは滅ぶんじゃないかなと思います。結局オンレでやるならセットで事足りますからね。この世にはセット雀荘とノーレフリーしか存在しなくて、オンレフリーは歌舞伎町と新橋の一部にしか残らない世界線も全然ありえますよ。
でも、それで本当にいいのか?
オンレにはオンレでしか味わえない魅力がたくさんあります。
白ポッチ・特殊ドラなどの脳汁ルール、三勝戦を勝ち取る喜び、プレートバック・ATM代走の惨めさ、そういった酸いも甘いも全部がフリー麻雀の醍醐味ですよね。(よね!?)
ノーレ勢で本当に麻雀が好きだと言うのなら、是非一度ノーレの井戸から飛び出して欲しいなと思います。オンレの海は危険ですが、ノーレにはない興奮や喜びがあります。
うーむ、飲みながら書いていたらウルセェnoteになってしまいました。今回はここまで。
次回は麻雀Bar死滅回遊編です。アナナスサワー🍍100本くださーい!!!!
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