格闘技に学ぶ挑戦術
さきほど、RIZINをテレビで見ていたけど、おもしろすぎた。
以前から、皇治が天心を煽って殴り込みをかけていたことは知っていた。天心はペコペコしながらも、「はいはい^^:」とした様相でありながらも「泣かせてやる、調子に乗るな」と言われて相当腹が立っていただろう。実際今回は入場シーンの段階で珍しく感情をあらわにし、「なめんなよ」と息巻いていた。百選錬磨、一度も公式戦でデビューしてから負けたことのない、日本に敵なしと言われた天心が。
K-1時代に武尊と対戦して初めてマジマジと皇治を見たけど、めちゃくちゃ生意気で「いけ好かない」と思っていた。でもやたらとファンがいて試合中”皇治コール”が度々起こったことに違和感を感じていた。
でもこの試合での武尊との試合では最終ラウンドにもつれ込む激闘を繰り広げ、最後判定で負けはしたものの、まったく物おじせず、倒れないその姿勢に感銘を受けた。そこでこの人がなぜそこまで愛されるのかを感じた。
天心対皇治。
圧倒的に天心が圧すものの、皇治は倒れない。次第に、心から皇治を応援していた。「天心をブッ倒してほしい」と見ているこちらの心を持っていかれていた。結果、皇治はボコボコになりながら、見るからにダメージを食らっていない天心の判定勝ちであったが、それでも天心はきっとやり切れなかったと思うし、あんなに殴られて倒れない皇治って何もの?ときっと多くの人が感じたことだろう。この試合でも”皇治コール”は数回あった、コロナ渦において大声を出すことは観客に禁じられているにもかかわらず。
皇治はおそらく、勝つ自信を本当に持っていたと思うし、今回の勝負の実現にたくさんの障壁はあったと思う。それも分かったうえで「あえて」勝負を挑んだように見えた。
結果、それがたくさんの人の注目を集め、ボコボコになりながら判定で負けはしたものの、多くの観客の心を引き寄せた。当たり所が悪かったり一瞬でも油断したら、死ぬかもしれない。
命をかけて挑むその姿に、感動せずにはいられなかった。
僕は、ここ最近思っていた。
「なぜ皆、己をすり減らしてまで頑張るんだろう」と。
このファイトからまたヒントをもらった。
格闘技って、他のどのイベントよりも興味深くおもしろいものだと思う。