「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論877」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第44号(2009.9.25発行)「長寿企業の極意(商業アドバイザー・小柳剛照)」1~※名称等は当時、一部文章省略
景気の先行きが見えにくくなると、消費者の財布の紐は固くなります。
そういう時の企業の対応としては、新製品や新サービスの開発が考えられます。
例えばビールメーカーが、ビールに加え、発泡酒から第三のビールまで、多様な商品充実で売上アップを図る戦略などが、それに該当するでしょう。
ただ、その方策は、諸刃の剣にもなりかねません。
消費者にとっては、選択肢の過大な増加は「どれを買ったらいいか分からない」という状況になり、「それなら安いほうがいいだろう」という心理になりがち。
実際、安い第三のビールは売れても、本来売りたいビールの売上は伸び悩んでいるというのが実状です。
それに消費者には「飽きる」という習性があります。
新製品に飛びついても、飽きてしまえばそれまで。
例えばカップ麺は、年間数百種類もの新製品が発売されますが、そのうち来年まで生き残るものは、わずか数種類でしょう。
一方で、昔からの商品でも、売れ続ける定番商品があります。
カップ麺で言えば、「日清カップヌードル」は、発売以来、ずっと売上トップを維持。
それは消費者に、慣れた商品はずっと同じでいて欲しい、という心理もあるからです。
つまり定番の強みは、飽きない、というところにあります。
企業の寿命は30年?
「企業の寿命は30年」説というのがあります。
もちろん人間の寿命同様、企業の存続する期間も長短さまざまですが、平均すればほぼ30年だろうという経験則。
でも日本には、30年どころか百年を超えて、堅実な業績を維持し続ける企業が数多くあります。
それらの長寿企業を見ると、時代変化に合わせた商品、サービスの転換に加え、他にもう一つ、大切な心得があったようです。
薄皮饅頭で有名な「柏屋」(福島県郡山市)は、創業が嘉永5年。
それはペリーが浦賀に来航する1年前で、奥州街道を旅する人たちの疲れを癒す茶屋として誕生しました。
時代が明治に移り、鉄道が東北にも開通してからは、鉄道を基盤にした販売で、お土産の定番としての地位を確立していきます。
江戸時代から明治へ。
さらに大正から昭和、平成と時代を経る間には、不況や戦争が何度もありました。
戦争に伴う物資不足での、砂糖の入手困難な事態などの危機も。
でも数々の試練を乗り越えて、柏屋は名立たる菓子製造会社として、地位を確立してきました。
現在は福島県だけでなく、宮城県、栃木県、東京都にも店舗を展開しています。
薄皮饅頭は、1個105円。
他にも多くの商品が充実していますがいまだに、「薄皮饅頭が大好き」というファンは、実に多いのです。
柏屋の理念は、真心を包む、ということ。
その精神が、工場の従業員にも、店舗の販売員の接客にも満ちているので、お客さまにはいつも大きな満足が生まれるのでしょう。
~ここまで~
2022年10月に日経BPコンサルティング・周年事業ラボで、創業年数が100年以上、200年以上の企業数を国別に調査した結果、日本は共に企業数で世界1位になったということです。
さらに世界の創業100年以上企業のうち日本の企業は50%、創業200年以上の企業では65%を占めており、突出していることが分かります。
日本は企業の新陳代謝が遅く、万年赤字のゾンビ企業も多いと言われてますが、さすがにその状態で100年、200年続くことはないでしょうから、上記の結果に日本人は誇りをもって良いと思います。
当社は今年、15周年を迎えることができ、フィットネス業界ベンチャーとしてはまずまずと言えるものの、異業種には数多くの先輩企業がありますから、地道にそこを目指していきたいものです。
お読みいただきありがとうございました。
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