12月20日(金):冬場は室温に要注意!
12月も半ばを過ぎると冷え込みも強まってきて、いよいよ冬という感じがしてきました。
寒さが厳しくなる時期の注意点に室温設定があります。
先般には中山美穂さんの件もあってメディアでヒートショックへの対策が呼びかけられる機会が増えましたが、これは思っている以上に大事ですね。
というのも日本では熱中症による死亡者数よりも、低体温症による死亡者数のほうが多いからです。
これは意外に思われる方も多いかもしれません。
昨今は猛暑続きで熱中症でなくなる方が増え、メディアでもしきりに注意喚起をするので、そこを意識する方は多いと思いますが、2000年~2022年は熱中症死が計約1万7,000人であるのに対して、低体温死は計約2万1,000人でそれを上回ります。
最悪のケースは死につながってしまう低体温症ですが、室内でもそれが起きているのが実情です。
例えば70代の方が自宅の室内において低体温症で意識を失うケースなどもあげられており、冬場は室温に目を向ける必要があります。
以前にもこちらのnoteに記載しましたが世界保健機関(WHO)では2018年に冬の室内最低温度を「18度以上」と強く勧告し、小さい子供や高齢者に対してはさらに暖かくするように求めています。
また英国では冬季の住宅内許容室温を18度と定めており、その理由は冬季の室内温度が18度未満で血圧上昇・循環器疾患の恐れがあり、16度未満で呼吸器系疾患への抵抗力が低下、12度以下で血圧上昇、心臓血管疾患リスクが高まる点を示唆しています。
こうしたリスクがあることが前述した「18度以上」が推奨される背景です。
逆に高気密・高断熱の建材を使い、なおかつエアコンで適温の自動制御をしたケースでは、実証実験で在宅者の血圧が10㎜Hgほど下がった事例もありました。
ひとつ言えるのは適切な温度設定だけで無用な高血圧や死をケアできるかもしれない点です。
頑なに寒さに耐えようとしたり、手足が冷え切っているに我慢するよりは、うまく暖房器具を使いながら室内温度に気をつけて健康を保ってほしいと思います!