6月8日(水):大画面での通話で顧客創造
先般の日経MJにおける「シニアBiz」のコーナーでは「まごチャンネル」が取り上げられていました。
同サービスは専用の通信機器をテレビにつなぐだけで、離れた場所で暮らす親世代(祖父母)と子育て世代が簡単に孫の動画や写真を共有できるものです。
今回フォーカスをして取り上げられていたのは、そうした従来のサービスにテレビ電話機能が追加された点です。
特に支持されているのは従来のサービス同様にスマホやタブレットも不要で使い慣れたテレビでの簡単なリモコン操作で利用ができるうえ、テレビの大画面で通話ができるところだそうです。
記事では以前に老人ホームに入居する親とビデオ会議アプリでオンライン面会を試みた際のエピソードにも触れられていましたが、その際はタブレットに映る小さい顔では認識が難しかったのか、何度呼びかけても反応が得られなかった旨の記載もありました。
それに対してテレビでの大画面を使ったテレビ電話になることで、前述したようなネックが解消される点はあるのだと思います。
現在はセコムと共同開発した機器で見守りセンサーを加えたり、自治体と連携して情報弱者になりがちな高齢者への情報伝達手段にまごチャンネルを使う実証実験などもなされているようですね。
今回のテレビ電話機能の追加でいえば、従来のビデオ通話アプリに対して「画面を大きくするだけ」という極めてシンプルな違いですが、それによって新たな需要が生み出されることの分かりやすい事例だと思います。
ユーザーにとってのネックがどこにあるのか、それをしっかりと掴むことができていれば、シンプルなアプローチでもユーザーにとっての大きな価値になることの証明ですね。
シニアを対象にした商品やサービスでいえば携帯電話における「らくらくホン」が良い例ですが、あれもボタンを減らして操作を簡単にして、なおかつボタンや画面、文字を大きくする、というアプローチでした。
やはりシニアに対してのネックを解消する意味では、そうしたアプローチの切り口をふまえておくのが大切なのだと感じます。