「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論399」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第7号(2003.7.25発行)「スピニング/インドアサイクリング」3~※名称等は当時、一部文章省略
日本への導入は1996年
スピニング/インドアサイクリングは世界のフィットネス先進国の中では唯一日本だけ導入があまり進んでいない。
なぜなのだろうか。
何名かの業界識者に聞いた話をまとめてみた。
まず1つには、輸入に際する事情が挙げられた。
スピニングはプログラムや専用バイクが登録商標されていたことから、プログラムの提供条件での混乱や規制があり、クラブがプログラム導入に際して煩わしさを感じてしまったことがあったようである。
2つ目に、コストやスペースの問題も挙げられた。
専用バイクは1台15万円程度であり、最新のカーディオマシンに比べればかなり安いが、単にグループエクササイズとして見ると200~300万円の導入コストがかかり、「高い」と感じられた。
当時はクラブにスタジオが1つしかなかったり、ジムも現在ほど広くないクラブが多かったため、「提供する場所がない」と感じた経営者も多かったようである。
3つ目にクラブ業界の成長段階や一般生活者の意識の違いも挙げられた。
当時スピニングは「45分で500キロカロリー」という打ち出しから、かなり強度の高いエクササイズと認識されていた。
当時初心者にターゲットを絞っていた多くのクラブ経営者にとっては、同プログラムはそれほど魅力的に映らなかったようである。
また、欧米では「バイクレッグ」という言葉は「スレンダーで引き締まった脚」を意味する最高の褒め言葉であるのに対して、日本ではサイクリングやサイクルレースがあまり身近なものではない。
4つ目にインストラクターの問題が挙げられた。
先行して導入したクラブでは、担当者によるクラスの集客の差が顕著に出る傾向が見られていた。
またプログラムの提供には演出力が必要と認識されており、従来のフィットネスインストラクターが持つ資質と一味違った能力が必要と思われた。
~ここまで~
日本への導入が遅れた理由が、記事には挙げられており、どれも一見もっともに思えますが、発祥時の開発者の想いや本来の効果・価値への正確な理解が乏しかったことが一番の理由な気がします。
経営者サイドの管理的なメリット・デメリットで判断されている様子が伺え、次のトレンドは何かを常に追っているマインドがそのような判断をもたらしたと言えるでしょう。
本日もお読みいただきありがとうございました。