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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論499」

皆さん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第12号(2004.5.25発行)「日本版カーヴス目指す・Jサーキット」3~※名称等は当時、一部文章省略

一般的なフィットネスクラブのビジネスモデルとは異なる発想からユニークなコンセプト、ターゲットを設定し、独自のビジネスモデルを築き、市場深耕を成し遂げている施設とその経営者を紹介する本コーナー。
第1回目は日本版カーヴス「Jサーキット」(兵庫県西宮市)。

ビジネスモデルと経営状況
スタッフはフロントとインストラクションを兼務し、常時1~2人いれば運営できる。
オーナーのAさん以外は、みなパート・アルバイトのスタッフであるため人件費も極めて低い。
初心者の方にはフォームや各マシンで鍛えられる部位などを解説し、あとは実際にエクササイズをしながら声をかける。
マシンは8台なので、いつでも身近に声をかけられる。

プロモーションはチラシのポスティングとタウン誌などへの広告掲載が中心。
主要商圏をクラブから約2㎞と設定、ポスティングはオープン前に5,000枚、オープン後に10,000枚を配っただけで、あとはほとんど口コミによる入会となっている。

このようにランニングコストが非常に低いことから損益分岐点会員数は110~120名、オープンから数ヶ月で経常黒字に転じた。
Aさんは「米国では同程度の規模の施設で480名を集客しているクラブもある。」と話し、それを一つの目標に置いている。
「カーヴス」の場合も、基本となるビジネスプランは、広さ40坪で初期投資500~600万円、成熟時の会員数が500人程度である。
会費は入会金60ドル、月会費39ドルで、損益分岐点会員数は立地にもよるが通常150~200名程度。
数ヶ月で黒字転換することが可能である。
事業規模は小さいものの、参入しやすく成功しやすいビジネスであることが分かる。

Jサーキットの料金システムは1年間会員と月間会員があり、年間契約をすると月当たりの会費が安くなるように設定されている。
Aさんは立地ごとに家賃が違うので、会費はそれに準じて設定すべきと考えており、苦楽園店の場合で月会費が5,800円、1年間会員の月払いで4,800円。
1号店の豊中北緑丘店は家賃が苦楽園に比べ低めの設定であることから約1,000円ほど安く設定している。
営業時間は平日は午前9:30~12:00と午後15:00~20:00で、土日祝は13:00~17:00と主婦層にターゲットし、無駄なく運営している。

~ここまで~

前回に引き続き、ビジネスモデルの概要が示されておりますが、それぞれよく考えられた設定になっていると感じます。

つまりビジネスモデルとしては最適化されているなか、やはり焦点は指導力・接客力にフォーカスされ、また左右されるビジネスであることも分かります。

オーナーのトレーナーとしての力量があれば、他のパート・アルバイトスタッフはそこそこに運営は順調になる一方、オーナーが単なる儲け主義で現場にあまり居ないとなると、一気に成立しなくなる危険性をはらんでいます。

本日もお読みいただきありがとうございました。

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