3月25日(月):茅ヶ崎市初のインクルーシブ公園
本日はローカルな話題を少しばかり。
私の住まいがある神奈川県茅ケ崎市では明後日の3月27日(水)に、市が管理する公園としては初めての「インクルーシブ公園」がオープンになります。
こちらは既存施設である湘南夢わくわく公園を再整備し、インクルーシブ公園としてのリニューアルオープンです。
インクルーシブ公園のことは以前にも記事を書きましたが、インクルーシブは「包摂的」の意で、年齢や障害の有無などに関わらず、誰もが利用できる公園を指します。
今回のリニューアルでは車椅子で乗り場まで行ける滑り台付き複合遊具や背もたれ付きのブランコ、車椅子でも利用できる砂場などユニバーサルデザインの遊具が設置されたほか、多目的トイレには大人も利用できる介助ベッドを設置したり、駐車場にも車椅子ユーザー優先のスペースを拡充するなどしています。
こうした誰にとっても開かれた形の公園が設けられたのは地域にとって非常に良いことだと思っています。
自治体にパブリックな施設はいろいろありますが、そのなかでも公園は文化施設などと違って日常的に、そして気軽に人が集えるオープンスペースです。
そこが居心地の良さ、気持ち良さ、手触りの良さに満ちた場所であれば自然と賑わいが生まれるだろうし、インクルーシブ公園のように公共の場に豊かさがあり、コモンが充実していれば、それは地域の豊かさともつながってくるでしょう。
なお東京都では既に3年以上も前からインクルーシブ公園の展開に着手をしているので、そうした状況と比較をすると茅ヶ崎市内のこのあたりの整備は決して早いとはいえません。
茅ヶ崎市は首都圏からの移住がもっとも多く、子育て世代を中心にした人口増をしている現状をふまえれば、それとあわせた公園のインクルーシブ化も課題ではあると思います。
またインクルーシブ化を進めるにあたっては、その名の通り公園は決して子どもだけの場でもないので、それ以外の誰にでも開かれた場をつくることもそうだし、自治体内で上手くすみ分けをしていくこともひとつで、これについて参考になるのが東京都足立区の取り組みです。
具体的には区内全域にある約500ヶ所の公園に対して、のびのびと遊べる「にぎわいの公園」と、静かに休める「やすらぎの公園」に分類して、生活圏に両方が含まれるようバランスを考えて配置する方向性で進めています。
子どもが周囲に気兼ねなく思いっきり遊べる場もあるし、少しゆっくりしたい人はそれに応じた公園を選べるようになれば、双方にとっての居場所が確保されますね。
このようにコンセプト、用途を明確にしていくのは、それまでの公園行政で陥りがちな「数」とか「大きさ」だけの観点ではなく、そこから掘り下がって「質」への移行につながる非常に良い流れだと思います。
茅ヶ崎市の公園行政も徐々にそうした方向に向かっていけばいいですね。