「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論592」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第17号(2005.3.25発行)「メディカルフィットネス」9~※名称等は当時、一部文章省略
CASE5「ルネサンス」
株式会社ルネサンスは現在全国に合計74店を展開している。
「現在30兆円にのぼる日本の医療費を減らすことはできないものの、その伸びを抑える」ことを目標に2004年からメディカルフィットネスに本格的に取り組み始めた。
目標が「医療費の伸びを抑える」という大きなものであることから、その内容も、フィットネスクラブとドクターの関係づくりに止まらず、健保組合や健診団体、介護団体、地方自治体などとの繋がりも視野に入れた構想となっている。
ネットワークづくりをサポートして大きな動きに
この会員を打ち出して以来、見込み客や、健保組合、企業、地方自治体などからの問い合わせが増えてきている。
新規出店に際しても「どのクリニックと提携するのですか?」といった問い合わせまで来るようになり、医療機関との新たな提携関係によりクラブ全体の信頼感や存在感が高まっているようである。
ただ課題もまだ残されている。
主な課題はドクターのチェックから次回の成果評価までに実施した運動履歴の管理が現状では自己申告になっている点。
現在は、ドクターのチェックを同社のパーソナルトレーナーが運動処方に落とし込んだものを各会員が独自で、またはクラブのプログラムに参加する形で行っている。
この運動実施の記録は各自手書きのカルテに記録・管理する方法で行われているが、今後さらに精度の高いEBHを実現していくためには、この運動の実施記録の取り方にも工夫が必要となってくる。
同社ではこのシステムが一応の完成を迎えた後には健保組合や健診、介護、地方公共団体などに展開を進める予定である。
既に多方面から引き合いが来ており、経済産業省が推進している「健康サービス産業創出支援事業」に選ばれたコンソーシアムからのサポート依頼がある等その芽が出始めている。
~ここまで~
ルネサンス社は、「メディカルフィットネス会員」の全国的拡大を達成できなかったものの、行政関連の受注はその後、増やすことができたことを考えますと、早期にこの分野へ進出したこと自体は成果があったと言えるでしょう。
ただ、根本的な課題が文面に語られています。
それは運動支援、継続支援の仕組みが薄く、結局は自助の行動に委ねていた点です。
特に現在は、身体を評価する仕組みやツールは進化し、低額で日常的に測定もできるようになっています。
多くの業界・業際企業がその分野へ熱心に取り組んでおりますが、リアルな場での運動支援・継続支援にフォーカスしている企業は少ないと言えます。
当社ではトレーナーが相応の内科的・外科的な知識を有して、健康診断結果など何らかで測定された数値を読み取り、具体的に直接サポートできるよう努力する方向性ですので、そこに考え方の違いがあるように思います。
お読みいただきありがとうございました。
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