10月9日(水):セブンイレブンのドーナツ店頭販売、再チャレンジへ!
先月の日経MJにはコンビニのセブンイレブンが店内でのドーナツ販売を拡大させる旨の記事がありました。
セブンイレブンではかつて2014年にドーナツ販売に乗り出したものの、その後の2017年に撤退した過去がありますが、今回改めてドーナツの販売に力を入れて販売店を増やしていく方向に舵を切っています。
2014年当時は店頭での淹れたて100円コーヒーの広がり、売り上げ拡大に続き、周縁にある関連した新たなニーズの取り込みでドーナツに参入し、1店あたり1日100個の販売を目指すとしていました。
その際には残念ながら想定通りに進まなかったものの、現在はドーナツ市場が前年比10%増で伸長している背景もあり、改めてのチャレンジです。
前回からの大きな変更点は店頭での揚げたてを提供するスタイルに切り替えていることでしょう。
先行して販売している店舗での売れ行きが好調なこともあって、2025年に向けて全国の店舗へ展開を拡大することを明示しています。
前述した淹れたてコーヒーやドーナツにしても「既に顕在化した商品市場をPB商品等で取り込んでいくアプローチ」はコンビニの常套手段です。
これは換言すれば後出しジャンケンにも近いアプローチですが、セブンイレブンでこれを可能にしているのは、これまでに築きあげたマーケットにおける「ポジション」や「役割」ですね。
まずは売場を持ち、店舗網を張り巡らせ、エンドユーザーとの接点を完全に押さえていることが1つです。
また、日用品や食料品の販売のみならずATMや郵便の取り扱い、公共料金の支払い、コピーやFAXなど、様々な機能を追加して利便性を高めた結果、地域における日常生活のハブを担うようになったこともそうでしょう。
前述したようなポジションや役割によって主導権を握る存在になったことが、ビジネス後出しジャンケンを可能にしているのだと思います。
この後出しジャンケンの良いところは既に顕在化をしていて一定規模の市場がある商品なので、良い商品を妥当な金額で提供すれば、そのニーズを取り込める余地が高い点にあります。
商機と捉えて臨む二度目のチャレンジがどのような展開になっていくのか、今後の行方を見守りたいと思います。
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