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7月5日(火):定性マネジメントに必要な「ネガティブ・ケイパビリティ」

昨日はフィットネスクラブ運営における定性面のマネジメントについて漠然と見るのではなく、解像度を上げて「観察的に見る」ことについて触れましたが、本日も関連したことをもう少しばかり。

そのためには見るべき観点を養いながら意識レベルと実行レベルを段階的に引き上げていくことですが、この定性面でのマネジメントは一夜にして何かが変わることはありません。

この点は数字をベースに何らかの営業施策を打つような定量的なマネジメントとは大きく違う部分で、そこには我慢も忍耐も要ります。

ここで必要になってくるのが「ネガティブ・ケイパビリティ」ではないかと思っています。

ネガティブ・ケイパビリティとは医療者が「分からないこと、答えを出せないことに耐える力」として、イギリスの精神分析家ビオンによって名付けられたものだそうで、私は書籍「ケアとは何か」を通じて知りました。

またネガティブ・ケイパビリティを経営について敷衍して論じた書籍「見えないものを見る力」では、以下のようにも記載をしています。

「人間が様々な現象や問題に対処しようと努力し、極限まで試行と錯誤を繰り返し、精神的にも体力的にも不安定と迷いの中で模索を続けた末にその問題や対象が持つ自分にとっての本質と思われるところに到達する。この不安定な状態を支える力が『ネガティブ・ケイパビリティ』である」

マニュアルに沿って仕事をするとか、データを分析して出来るだけ効率的に解答を出すようなアプローチとは異なり、性急に答えを出すのではなく考え抜くこと、それに耐え抜く能力が重要だと指摘をしています。

これは考え抜くという行為そのものに対してもそうだし、そこで流れる時間に対しても同様で、そのプロセスにおける心身における耐性も含めたものでしょう。

そうした不安定に耐えうる力としてのネガティブ・ケイパビリティがあることで、その先の発見や創造が生まれてくる、ということですね。

これは結果責任と対峙するリーダーにとっても必要だし、フィットネスクラブのトレーナーがお客様と向き合う局面でも、また人材育成の面でも類似したことが言えるはずです。

明日もネガティブ・ケイパビリティに関連した話を続けます。


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