5月28日(土):コロナ銘柄の下落とリアルへの回帰
先般の日経新聞では「消えるコロナ特需」と題した記事がありました。
同記事の要旨はコロナ禍で需要を取り込んだ新興企業が日常の暮らしが正常化しつつあるなかで売上高が伸び悩み、株価はコロナ前の水準に逆戻りしている点に触れたものです。
具体的にはオンライン会議などのズームやEC基盤のショッピファイ、電子署名のドキュサイン、そしてホームフィットネスのペロトンなどが例に挙げられていました。
いずれの企業もコロナ禍で伸びた時価総額はコロナが世界で本格的に広がる前の2020年2月の水準を下回る状態になり、コロナ銘柄の下落ぶりが際立ってきた点を指摘しています。
株価そのものは実際の売上だけでなく将来的な期待値によっても上下するので、株価の下落がストレートに利用者の動向を示すものではありませんが、それでも確実に潮目が変わったことの現れではあるでしょう。
アメリカではリアルのフィットネスクラブへの回帰も鮮明になってきたようですからね。
日本の場合、コロナに対する規制緩和が欧米に比べると遅れているから先のような変化が出てくるのにタイムラグはありますが、ほどなくして近しい状況になっていく可能性は高いと思います。
私の場合、毎月のように上越・長野新幹線、東北新幹線、東海道新幹線と国内の主要新幹線で移動をしていますが、直近の1~2週間をみると明らかにそれ以前とは異なる乗車率になってきたように感じます。
それだけに国内でも従来の日常を取り戻しつつあるし、リアルの場に回帰する傾向は見て取れますね。
一方、フィットネス業界に目を向けるとコロナ以前から抱えていた構造的な問題やこの数日でも記したようなコンテンツ力がコロナ前後で大きく変わっているわけではありません。
だから社会全体のリアルへの回帰がそのままかつての会員数への回復につながっていくかといえば、それほど安直なものでもないでしょう。
リアル回帰の波とあわせて各フィットネスクラブでの本質的な変革を進めていくことができれば良いと思っています。