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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論667」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第22号(2006.1.25発行)「欧州クラブのトレンドとクア施設最前線」1~※名称等は当時、一部文章省略

欧州クラブの5つのトレンド

①ハイクオリティな空間デザイン
ヨーロッパの代表的な都市には数百年の歴史のある重厚な石造り建造物が残されている。
街を見渡しても、石やレンガでつくられた古い建物が多い。
その扉を一歩くぐるとそこには外観からは予測できないほど、モダンでハイセンスな空間が広がる。
欧州では外壁を残したまま、室内空間をリニューアルしていく慣習があるからか、内装のクオリティが非常に高い。
今回視察した中では、「ゲットフィット(伊)」、「アミダクラブ(英)」と「キャノンズ(英)」が特にエクスペリエンス(経験価値)の高い空間を演出していた。

②スパの充実
日本のクラブビジネスはスイミングスクールに始まり、米国はラケットクラブから始まっているのに対して、欧州ではテニスクラブまたは社交クラブからスタートしたイギリスタイプのクラブが主流となっている。
業界としても、「レジャー」業界の一部とされ、「ビューティー」業界にも近く認識されている。
そうした経緯から欧州クラブには富裕層が好みそうなアイテムやプログラムが揃えられており、特にスパ、エステ関連のアイテムは世界でも欧州のクラブが最も充実しているといえる。
今回視察した中では、イタリア「ゲットフィット」のバーデンバーデンさながらのサウナ・温浴施設、イギリスで「最高のスパ(エステ)施設」と評価されている「アミダクラブ」のスパ施設、「ヴァージンアクティブ(伊)(英)」の温浴施設などで、非常に充実した癒し・ビューティーのアイテムが提供されていた。
温度がそれぞれ違うサウナや、ジェットの強さがそれぞれ違うジャグジー、岩盤浴のような温かい石のシートや氷浴なども導入されていた。

③スタジオの複数化
米国では近年サービスやプログラムがパーソナルに偏重しつつあることと比較すると、欧州ではまだグループエクササイズへのニーズが根強い。
スタジオがプログラム別に分けられてきており、4~5のスタジオを持つクラブも増えてきている。
人気のプログラムは米国同様「ヨガ」「ピラティス」「スピニング(グループサイクリング)」で、スピニング専用スタジオは米国同様既にクラブの必須アイテムの1つとなっている。
依然人気も高い。
「ピラティス専用スタジオ」を付帯するクラブも確実に増えている。
「ヴァージンアクティブ(伊)」ではピラティスの次に来ると言われている「グラビティ」のグループエクササイズも導入されていた。
「フランシスココンティ(伊)」では、イタリア人が開発したピラティスマシンを簡略化したような器具を利用したグループエクササイズも人気とのこと。
その他、「フランシスココンティ(伊)」や「デビッドロイド(英)」ではアリーナも付帯しており、そこでフットサルやバドミントン・卓球をはじめ、参加人数の多いグループエクササイズクラスや社交的なプログラムなどが提供されていた。
また、「ネクストジェネレーション(英)」ではジム内にエリプティカルマシンのグループエクササイズが行われるエリアも見られた。
グループサイクリングエリアも2箇所あり、1箇所は心拍数がモニタリングできるバイクを利用して健康やトレーニングを目的とした人が参加しやすい環境とし、もう1箇所はハンドル部分が動くバイクを使用し、よりアクティブで楽しいクラスが提供できる環境が用意されていた。

~ここまで~

20年近く前の記事にも関わらず、個性あふれる多様な業態やプログラムを感じることができ、日本とは雲泥の差だと改めて感じます。

日本の当時は、ほぼ総合型クラブ一辺倒に近い状態であり、現在はその頃から比べれば多様化したものの、個性という点では弱いと言わざるを得ません。

当社の直営小型クラブは、ビジネスモデルの構造上、古い建物に入居する必要性が生じやすいのですが、欧州クラブのように味のある建物の中でも、一歩くぐると居心地の良い快適な空間が広がるような室内演出を目指しています。

建物や設備は必然的に経年劣化していくものですので、その過程で価値が減ずることなく増していくような考え方で捉えることが、今日的なサスティナビリティの流れにも合致するように思います。

お読みいただきありがとうございました。

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