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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論421」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第7号(2003.9.25発行)「業態の研究」15~※名称等は当時、一部文章省略

Ⅲ業態の分析

(3)トレーニング(ソリューション)系のフィットネスクラブ~ハンズオンでソリューションを提供できるクラブ

トレーニング系のフィットネスクラブ群はハンズオンでお客様の健康や身体づくりに関するソリューションを提供できる価値を備えている。

その意味では「トレーニング系」ではなく、「ソリューション系」と言ってもよかろう。

以下に紹介する「トータル・ワークアウト」(以下、TWO)や「ゴールドジム」はその典型と言えよう。

また最近、株式会社ザ・ビッグスポーツが新しく取り組み始めた中庸姿勢法を採り入れた業態(Shisei&Sports Club BIG-Sくずは)も、この群に入れることができよう。

パーソナル対応に特化したジム

ポジショニングマップの第2象限にはその中央にTWOがプロットされている。

TWOは首都圏一等地に経験価値に富んだ大きめのジム1つを完備し、著名トレーナーと、そのクライアントであるプロスポーツ選手のキャラクターイメージを柔らかく打ち出して誘客。

同トレーナーの「弟子」であるパーソナルトレーナーを配してワンオンワンで「理想の体に変える」プログラムを提供していくスタイルをとる。

顧客にとって「成果」への期待が大きく膨らむために客単価は高い。

入会当初の数ヶ月間の客単価はおよそ5万円/月(本誌編集部推定)ほどであろう。

その内訳は月会費2万円(税別)とパーソナルトレーニング(1回3,000円×週2回×4週)、それに若干の物販である。

収支構造上は数百名の会員が在籍していて、コンスタントに一定の新入会員がいれば成り立つ。

だが、この業態には難しさも伴う。

「プロフェッショナルなトレーナー」が顧客の期待を超える確実な成果と満足を継続して提供できなければならない点である。

そうでなければ顧客は定着しない。

著名トレーナーのプロスポーツ選手に対するコーチの実績に対する評価も集客に影響を与える要因となろう。

優れたトレーナーという人的資源や高額な会費とパーソナルトレーニングフィーを負担し続けられる顧客層に限界があるため、立地と店舗数はある程度限られよう。

出店を制限し、「本拠地」でトレーニングに関するアカデミックな研究とその成果のフィードバックを継続して行い、常に一歩先の理論と実践的手法で成果を挙げ続けることが同クラブのポジショニングと収益性を盤石にするものと思われる。

当然、トレーナーも大切になる。

トレーナーという人材を「人財」に変え、トレーナーの定着が顧客の定着や顧客からの紹介の促進に繋がるようにしなければならない。

ユニークな業態であるため成功が期待される。

「トレーニング」に特化したジム

これに対し、ブランド力ほかの資源を活かして多店舗化を可能にし、収益面でも一定の成果を挙げているクラブに「ゴールドジム」がある。

~ここまで~

トータルワークアウトについては、当時、メディアでの露出も多く、一般の方の認知も高かったと言えます。

その意味では、現在、同ポジションをとるライザップさんは、トータルワークアウトの戦略をさらに大衆化させ、規模を拡大したと考えることができます。

短期間ダイエットのメソッドを確立し、トレーナー教育を汎用化させることで多店舗展開も可能にし、成果保証と単価向上を同時に担保するという巧みな戦略だと思います。

習慣にフォーカスするという当社とは真逆の考え方ではあるものの、戦略の完成度は高いと評価することができます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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