「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論675」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第23号(2006.3.25発行)「消費されるフィットネスクラブスタッフー低い従業員満足度、課題山積」2~※名称等は当時、一部文章省略
2006年3月、社団法人日本フィットネス産業協会(FIA)は、報告書「フィットネスクラブにおける従業員満足度(ES)に関する調査研究」を発刊した。
ESは思いのほか低く、業界の成熟化に向けて、いくつもの課題を残す結果となった。
以下は、報告書の要約と提言である。
求められる、経営者の見識と適切な判断
以下は、本調査研究に携わった委員らの主な提言である。
(1)問われる、経営者の見識
業界企業は、インターナル・マーケティングに十分な関心を寄せていない。
経営者は従業員に対する社会的責任を果たす必要がある。
(2)キャリアビジョンの「見える化」が必要
キャリアアップのステップを分かりやすく示すことが求められる。
(3)将来に不安を抱かない賃金水準にしよう
従業員が育つ環境をつくり、成長と成果に見合った賃金を支給しよう。
(4)従業員の自己実現を支援しよう
適材適所や能力開発の機会などを従業員とコミュニケーションを取る中で提供していこう。
(5)就業動機と実際業務のミスマッチをなくそう
採用時にフィットネスビジネスの現場、現実を理解して貰おう。
(6)従業員が生き生きと能力を伸ばせる環境をつくろう
経営者は、次世代のリーダーとなる従業員を輩出する努力をもっとしよう。例えば、もっと経営、マーケティングといった教育プログラムを提供することなどが求められる。
また、この業界で働くことの意義をともに認識することも大切になろう。
(7)クラブビジネスの素晴らしさをアピールしよう
物理的な労働条件が異業種成長企業と同程度のレベルになることを目指し、実現した折には、広くクラブビジネスの素晴らしさをアピールしよう。
(8)業界としてES向上について話し合おう
業界としてどのようにすればESを実現できるかを話し合うことも必要だろう。
(9)企業は反省しよう
この10数年で市場は成熟化に向かいつつあるが、企業や業界は成長していないのではないか?
市場の成熟化の中に衰退の要因が潜んでいることも含めて、反省することが求められる。
~ここまで~
今回のパンデミックにおいては、大幅な会員数減少という打撃に加えて、これを機にフィットネス業界に見切りをつけ他業種へ転職を図る中堅層が多かったとの情報を得ています。
これは上記の指摘に対して適切に対応してこなかった経営者が多かったという結果が反映されたとも言えるでしょう。
当社は、社員トレーナーが主役となる会社をつくるとトップは明言しておりますので、ブレは全くないものの、それでも環境改善には常に腐心しています。
そう考えますと、そのような思考に乏しい経営者が率いる会社が急に方向転換することは想定しずらいですので、仕事の内容や待遇を見る以前に、誰がどのような信念で企業経営をしているか調べることがより重要だとアバター近藤は考えます。
お読みいただきありがとうございました。
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