「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論609」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第18号(2005.5.25発行)「回り道戦略(商業アドバイザー・小柳剛照」2~※名称等は当時、一部文章省略
ビフォアサービス
4月に入学するお子さんのいる家庭には、春先にはたくさんのDM(ダイレクトメール)が舞い込みます。
でも、それらのDMに心が動かされる消費者は少ないでしょう。
むしろ、入学する子どものいる情報がどこから漏れたかというのが気がかりで、商品を買う気分になれるはずがありません。
入学時期に、該当するお子さんのいる家庭に学用品などのDMを出す。
ボーナス時期に、銀行がビジネス街でボーナス預金の宣伝チラシを配る。
販売業者や銀行は、例年それが「当たり前の販促策」と信じて実行しています。
でもDMやチラシを受け取る側にとっては、それは迷惑以外の何ものでもありません。
だから発想の転換が必要だったでしょう。
Y県のある時計店は、地元で受験勉強に励む学生たちに対して、受験の直前までずっとオリジナル作成の「実力アップ問題集」を送付。
そこには合格祈願のお守りも添えられていました。
またK県の洋品店は、冬の一番寒い時期、受験生に使い捨てカイロを送付。
「合格をお祈りしています」というメッセージを添えて。
さて、そういうDMで孤独な受験勉強を励まされたとしたら、無事合格した受験生と家族は、腕時計や学生服は、是非あの店で買いたいと思うに決まっています。
入学が決まって、学用品を購入する時期ではなく、その前の入学が決まらない受験期のビフォアサービス。
それが「是非あの店で買いたい」という気持ちに繋がるものです。
回り道でも、商品やサービスの宣伝を明記しなくても、「お客さまのため」という精神に裏打ちされたサービスは、お客さまの心に深くとどまるものです。
むしろ宣伝をしない方が、いい宣伝になるのです。
露骨な営業活動が嫌われる時代、従来の販促手法、サービス手法を見直して、回り道サービス、ビフォアサービスを心掛けてみませんか。
~ここまで~
露骨な営業活動、宣伝が嫌われる傾向は記事の時代より益々、進んでいると感じます。
アバター近藤もマーケティングに携わる機会が多いので、そのことには十分に気を付け、メッセージを考えてはおりますが、ビフォアサービスという観点では足りなかったと素直に思います。
最近の営業施策で丁度、そのことを認識するような出来事がありましたので、腹落ちする内容でした。
お読みいただきありがとうございました。