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11月6日(日):シニアコミュニティの入口になる「文化的処方」

先週の日経MJ「シニアBiz」のコーナーではシニア向けSNSの「らくらくコミュニティ」に関する記事がありました。

同サービスは会員数260万人を有する日本最大級のシニア向けSNSで、利用者は70代が43%、60代が25%、80代が15%の構成になっており、一般的なSNSとは一線を画しています。

これだけシニア層が多い理由はシニア向けの「らくらくスマートフォン」購入者の受け皿としてサービスを起ち上げた経緯があるからだといいます。

人気コンテンツとして、その日に歩いた歩数と散歩中に見つけた花の写真を投稿する「花散歩」と、季語を含む五七五の句の入力と背景を選んで簡単に投稿できる「俳句コンテスト」の2つが紹介されていました。

実際のユーザーの声として取り上げられていたのは「既存のSNSだと何を投稿すればよいのか迷うが、らくコミュにはいつもテーマがあり、定型に従って投稿すればよいので続けやすい」というもので、この点は確かにそうだなと感じます。

何でもできる自由度は、かえってどうしてよいかが難しくなる面もあるから、こうして一定の枠組みを整えることで、参加や継続のハードルが下がるのは納得です。

また同サービスではSNS上での誹謗中傷などが起きないように監視を強化しており、ユーザーにとっての安心感が担保されていることもシニア層が緩やかに、気軽にそれができる点なのだと思います。

冒頭で取り上げた記事では、先のシニア向けSNSと関連して提示されていたのが「文化的処方」についてです。

文化的処方というのは昨今の課題になっている高齢者の社会的孤立を予防するためのひとつの観点、アプローチになります。

社会的孤立が生じないようにコミュニケーションの機会をつくるにあたり、そのきっかけとなる入口に文化体験を据えていく考え方です。

シニア世代のほうが現役世代よりもはるかに茶道や華道などの芸事をはじめ、美術・芸術の鑑賞、舞台やコンサートなど、文化に対する造詣が深いですから、そこを入口にすることで興味や親しみを持ってもらいやすい点はあると思います。

自社の小型フィットネスクラブでは以前に対話側美術鑑賞会というものを実施したことがあります。

こちらは1枚の絵画を複数人で鑑賞しながらコミュニケーションをするのもので、そのコンダクターの資格をお持ちである会員様が主宰をしてくださった場です。

私も2回ほど参加をしましたが、絵画というものを起点にしながら自然にコミュニケーションが進むし、それを通じて他の方々の感性にも触れながら、絵画の理解も深まるなど本当に新鮮な体験、時間でした。

そうした実体験も含めて文化的処方がシニア世代のコミュニケーションを促進するきっかけになるのは理解ができますね。

私たちはフィットネスクラブとして健康、運動を基軸にした場を担っていますが、自社の小型クラブでは顧客層にシニア世代が多いのも事実なので、コミュニティづくりの面で文化的処方は大事な観点だと思っています。


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