「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論385」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第7号(2003.7.25発行)「団塊世代を狙え」6~※名称等は当時、一部文章省略
Ⅲ団塊世代の特徴
(4)くつろぎたい、癒されたい
団塊世代にとって今は何かとストレスの多い時である。
かつて活躍した高度成長時代とは逆に、今は不況で彼らにとっての一番の舞台であるカイシャで活躍することができないからだ。
特に今、会社で働く者にはマーケティング力が求められているが、彼らはその点からして1つ下の世代に立場を奪われ始めている。
例えば昨今の社長人事では「団塊飛ばし」が行われている。
ユニクロやローソン、マツダ、任天堂、セガ、日本ヒューレット・パッカードなどの新社長は全て40代前半である。
また、暗い話になるが、この団塊世代の自殺者や疾病者が増えているようなのだ。
彼らには精神の安定が求められている。
「オン」と「オフ」をきちんと切り替えること、あるいは生き方自体を「スロー」にすることが求められている。
彼らの心身をスマートに癒すコトやモノ、スタイルが必要とされている。
銭湯やマッサージ、旅行、昔聞いた音楽、特定の強い目的を持った大人の空間などがその「何か」に当たりそうである。
(5)身近な人と繋がっていたい
団塊世代は大きな「かたまり」なだけに、孤独に弱いのではないか、誰かと繋がっていたいという欲求を持っているものと思われる。
この点、この世代の女性は、近所づきあいや同じ趣味を持つ仲間などの付き合い、あるいは娘との買い物などでうまく解消しているが、男性の方はどうだろう。
会社生活をしていた頃は「飲みにケーション」があったが、不景気になるにつれてそれが無くなってくると付き合いが減るため、逆にストレスの高まりとともに、コミュニケーション欲求も高まってくるのではないか。
だが彼らは、これまであまり仕事以外の友人を作ることをしてこなかったためにコミュニケーション力が不足している。
実際データからも新しい友人を増やしたり、友人を自宅に招いたりすることが苦手であることが分かっている。
ただ、これは逆に夫婦や少人数の親しい友人との仲が良いというふうにも読める。
~ここまで~
記事から20年以上が経ってもやはりコミュニケーション力の男女差は広がりこそすれ、リタイア後も一向に縮まっていないと考えられます。
仕事から離れ、悠々自適なコミュニティライフを送ろうと思えば、送れる状態にも関わらず、そのように「できない」「しない」のは、職場では言わば強制的にコミュニケーション(厳密な意味では単なる仕事上の上下関係に基づく会話)が発生することで、コミュニケーション力を磨く習慣が当時はあまり必要なかったことが影響していると思われます。
そういった方々に改めてフィットネスに参加して頂くには、運動の必要性以上に家族、特に配偶者からの働きかけを促すことがポイントになってくるでしょう。
本日もお読みいただきありがとうございました。