「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論419」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第7号(2003.9.25発行)「業態の研究」13~※名称等は当時、一部文章省略
Ⅲ業態の分析
(2)エグゼクティブ系のフィットネスクラブ(上質なサービスとゆとりを提供する都市型クラブ)
強みの源泉
この業態は既述の通り、都心の一等地の大規模な都市再開発において親会社が開発したビル内に、その子会社のクラブ運営企業がテナント出店することが多い。
主要会員層はこのビルを含めた周辺のビルの在勤者や後背地に建つマンションの居住者である。
「エスフォルタ六本木」のマネージャーI氏は「会員の7割が半径1㎞圏内の在勤者か居住者。そしてそのほとんどが在勤者。」という。
特に外資系企業に勤めるお客様が多く、六本木店の場合、会員数の25%を占めている。
会費が1.5~2万円程度と高いこともあって、顧客層の所得水準は高い。
そうした点から同社フィットネス事業部長S氏は「このクラブはお客様の質がとても高く、そのことが一番の魅力となっている」と語っている。
既存のお客様が醸し出すクラブの雰囲気が新しいお客様にとっても好ましく映るのだろう。
類が友を呼ぶ仕組みが自然に機能する業態といってもよい。
だが、それだけではこの業態の強みは語れない。
ターゲットを絞り込んだ上で、その顧客層が望む商品・サービスをきちんと提供できることが強みになっているはずである。
S部長はこの業態の強みとして次の3点を挙げている。
①プロフェッショナルなスタッフによる高品質なプログラム提供
レベルの高いインストラクターによるプログラムを多数揃えていること。
1レッスンあたりのフィーは高くなるが、会員数を絞り1スタジオでグループエクササイズを提供しているため総人件費は複数のスタジオを備える「標準的なクラブ」ほどは掛からない。ヨガやピラティス、ストレッチといったオリエンタル・調整系のエクササイズに人気が集中するため、特にこれらのクラスはレベルの高いインストラクターが担当する。
②ゆったり感の提供
会費を高めに設定し会員数を低く抑える事業構造を持っている故、空間自体に「ゆったり感」が生まれている。
それがたとえ近隣に「標準的なクラブ」の業態をとる盛況店があったとしても、特定層のお客様に評価されるポイントになっている。
またバスローブやスイムウェア、ウェア、シューズなどは全て無料でレンタルされるため、家以外のところから手ぶらでいつでも来れるという安心感と利便性がこのクラブに通うお客様のストレスを無くしている。
さらに、アクティブなアイテムだけでなくリラックスして束の間の疲れを癒すことができるマッサージチェアゾーンやラウンジが備えられていることも魅力となっている。
在勤者は仕事の合間にリフレッシュするための小休止を取ることもできる。
~ここまで~
上記に書かれた強みは確かにお客様にとって心地よいものになると思います。
そして当社の小型クラブを考えた時、その要素も備えていることが成功の一要因になったかもしれないという気付きを得ました。
もちろん所得水準という点では比較できませんが、クレームがほぼ発生しない和気あいあいとしたレッスン環境、1レッスンは最高10名でコントロールされている、専任トレーナーが常にレッスンフォロー、レッスン内容にケアが含まれているなど、記事のエッセンスをふんだんに感じることができます。
一見すると真逆の業態の強みも包含していることが分かり、自社クラブへの違った理解が進む記事となりました。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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