10月6日(木):味覚だけでなく頭で考えながら飲むコーヒー
先般には大学の卒業生向けに発行された会報誌に目を通していたら、「私の哲学」というコーナーで大学の学長とサザコーヒー会長(母校卒業生)との対談記事がありました。
サザコーヒーは50年以上前に茨城県ひたちなか市に1号店を開き、個人経営でありながら16店舗を運営し、さらにはコロンビアには自社農園も運営しています。
カフェチェーン全盛の時代にありながら確固たる独自の道を歩み続けていて、地元にも熱心なコーヒーファンにも愛されています。
以前にはTV番組のカンブリア宮殿にも出演していたことがあるので、コーヒー好きの方以外でご存知の方もいるかと思います。
前述した対談記事ではコーヒーと大学が交差する話題で、サザコーヒーと大学の創始者であった井上円了がコラボした商品「井上円了珈琲物語」に触れる場面がありました。
今から100年以上前に世界各地をまわった井上円了は、その当時にブラジル・サンパウロのコーヒー農園などを訪れており、その旅行記などをもとに商品開発をしたといいます。
またサザコーヒーでは徳川慶喜公にちなみ、慶喜公の曾孫と一緒に江戸時代に将軍が飲んだコーヒーを再現した「徳川将軍珈琲」など、ユニークな商品づくりもしています。
これに関してサザコーヒーの会長は「他店との差別化という意味合いもありますが、それぞれに縁のある地域の皆さんに喜んでいただきたいと思って作りました」と、その意図を語っていました。
生産地や地元、ゆかりの人物と郷土史など、味覚だけでなく時代背景にも想いを馳せながら飲んでほしい、との考え方です。
ちょうど昨日にはポテトチップスの領域ではありますが、カルビーが「生産地や生産者の顔が見える」ような取り組みをしている部分と通じる話だなと思いますね。
また会長は「コーヒーに歴史や文化が加わると、味覚だけでなく頭で考えながら飲んでくださる」という言葉には頷けるものがありました。
卑近な話で恐縮ですが、私たちが営むフィットネスクラブではお客様にトレーニングをしてもらうだけでなく、運動・栄養・休養など健康リテラシーを高めるための発信、セミナーなどをオープンした頃から絶えず続けています。
それは単に身体を動かす場や、それによる直接的な効能だけを提供するのではなく、望ましい健康習慣そのものを整えてほしい意図があって、そのためには「身体を動かす」+「頭で考えてもらう」ことが大切だと思っていたからです。
そんなこともあって今回の記事を読みながら、母校の大先輩に改めて背中を押された気がしましたし、ローカルを極めていきたいなという想いに駆られました。
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