「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論579」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第17号(2005.3.25発行)「新業態、続々登場」2~※名称等は当時、一部文章省略
フィットネスビジネスが成長してきているなか、同期して業態の多様化・高度化が進んでいる。
コンビニエンス系、エクスペリエンス・トレーニング系、メディカル・介護予防系、リラクゼーション・アミューズメント系など、様々な業態のクラブが誕生している。
介護予防対応型ジム
エクスペリエンス系・トレーニング系が若年~中年層を対象にしているのに対し、中年~高年層を対象にソリューションを提供しようとしているのが、メディカル・介護予防系ジムである。
このタイプでの新規参入組には指定介護サービス事業者(葛飾区)となって新予防給付獲得を目指す「パワーリハ新小岩」(株式会社パワーリハ)や、小山裕史氏が体系化した初動負荷理論を介護予防に応用する「ワールドウィング市川」(株式会社トータルライフサポート)、医療系42条施設の「メディプレックス大宮」(医療法人光晋会)などがある。
KFS(成功の鍵)は、病院臭さを消して、効果と楽しさ、居心地の良さを演出することや、手軽な料金設定、グループ入会~利用の促進策の案出と実行にあろう。
女性・中高年層にターゲットした新業態
既述した業態以外ではネットカフェや温浴施設などを経営する業際企業がフィットネスクラブが提供しているアイテムの一部を取り込んで新業態を構築、展開する動きがある。
「リラックス・コンビニ快活CLUB」(株式会社アオキインターナショナル)や、都心部のスパ施設などである。
さらに以上記したすべての業態をまとめて、現在のフィットネスクラブ主力層の女性・中高年層にターゲットして新業態を独自構築した「メガロスプラシア立川」(株式会社メガロス)も成長が期待される。
同施設は、女性向きのマシンやプログラム、デイスパなどを導入したり、メディカルフィットネスサービスや栄養カウンセリングを盛り込んだ会員種別を設けたりしている。
フィットネス業界では上記した業態を軸に今後も業態開発が進み、市場が活性化されて参加率が高まるだろう。
~ここまで~
記事で最後の文言にある「上記した業態を軸に今後も業態開発が進み、市場が活性化されて参加率が高まる」という予想は、残念ながら半分当たり、半分外したと個人的には考えております。
そして紹介された中で、継続クラブとして評価できるであろうクラブ・企業は、「カーブス」、「アールボディプロジェクト」、「ワールドウィング」といったところでしょうか。
紳士服大手のアオキインターナショナルが手掛けたフィットネスクラブは記事当時、成功しませんでしたが、近年、系列の紳士服店やネットカフェから業態転換させた「快活FIT24」は出店が加速し、上手に運用できているように思います。
なお市場の参加率については、パンデミック前の4%超が最高値ですので、高まったとは言い難い状況です。
お読みいただきありがとうございました。
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