3月27日(水):インクルーシブ公園とサード・プレイス
本日に茅ヶ崎市内で初めてインクルーシブ公園がオープンするため、一昨日・昨日とそのことを取り上げていますが、本日も関連した話をもう少しばかり。
インクルーシブとは「包摂的」の意で、インクルーシブ公園は年齢や障害の有無などに関わらず、誰もが利用できる公園を指します。
今回のリニューアルでは車椅子で乗り場まで行ける滑り台付き複合遊具や背もたれ付きのブランコ、車椅子でも利用できる砂場などユニバーサルデザインの遊具が設置されたほか、多目的トイレには大人も利用できる介助ベッドを設置したり、駐車場にも車椅子ユーザー優先のスペースを拡充するなどしています。
こうした誰にとっても開かれた形の公園が設けられたのは地域にとって非常に良いことだと思っていますが、ユニバーサルデザインの遊具を設置したインクルーシブ公園の整備はあくまでも「ハード」面の要素です。
その公園が実際にインクルーシブな場になるかどうかは、公園のルール作りや運用の仕方といった「ソフト」面、そして実際にそこに集う人々の意識の「ヒューマン」面、それらによって左右されます。
このソフト面やヒューマン面の醸成に寄与するものとして昨日はインクルーシブの7原則に触れました。
それに加えて誰にとっても開かれた場となっていくために掛け合わせていくと良いなと思えるのはオルデンバーグが定義するところの「サード・プレイス」における8つの特徴です。
特徴1:中立領域
サード・プレイスの構成者は義務感からそこにいるのではない。彼らは、経済的、政治的、法的に縛られること無く、喜んでやってくる。
特徴2:平等主義
サード・プレイスは、個人の社会における地位に重きをおかない。経済的・社会的地位は意味がなく、ありふれていることが許容される。サード・プレイスでは参加するために、何も必要条件や要求がないこと。
特徴3:会話が主たる活動
遊びココロや楽しい会話がサード・プレイスの活動のメインフォーカスである。会話のトーンは気軽で、ユーモア、ウィットがあり、優しい遊びココロは高く評価される。
特徴4:アクセスしやすさと設備
サード・プレイスはオープンで、みなが訪れやすい環境。柔軟で親切で、集まる人のニーズにこたえるところ。
特徴5:常連・会員
サード・プレイスは、常連がいて、空間やトーンを形成する。その場所らしさを彼らがつくる。新たな訪問者を惹きつけて、新参者にも優しいところ。
特徴6:控えめな態度・姿勢
サード・プレイスは、健全である。その中には無駄遣いや派手さはなく、家庭的な感じ。偉ぶったり、排他的であってはいけない。いかなる個人、あらゆる階層の人を受け入れる。
特徴7:機嫌がよくなる
サード・プレイスでの会話のトーンは、けっして緊張や憎悪を生んではいけない。その代わり、陽気でウイットに富んだ会話、気さくな冗談は歓迎される。
特徴8:第2の家
サード・プレイスにいる人たちは、しばしばあったかい感情を共有する。あたかも同じ家に暮らす者同士のように。この場所に根ざしている感情を持ち、精神的に生まれ変わることを得る。
昨日に触れたインクルーシブの7原則や、サード・プレイスの8つの特徴について、市民であるユーザーの側も理解を深めていくと、その公園が本当にインクルーシブな場に育っていくんじゃないかと思います。